2020.10/11 学術会議と中国との関係
学術会議と中国との関係について話題になり始めたが、学術会議はアカデミアの中国協力に関して実態を明らかにする義務があるのではないか。
そして、戦争に協力しているかどうかをその実態から判断し、国民に明らかにすべきだろう。
何でもかんでも中国と協業あるいは協力することは軍事協力とみなす、という最近出てきた論法は、これまで中国に協力してきた企業も含めすべて悪である、という結論を目指しているようなものだ。
少し前まで、民間の中国協力から国家による中国協力まで奨励されていた。そして、軍事協力に抵触する問題は、それが軍事転用されたときの影響から判断されてきた。
日本における技術開発や研究もすべてそのような判断基準になっているはずだ。そうでなければ、軍事に無関係な技術など極めて限られてくる。ありとあらゆる技術を間接的に軍事と結びつけることが可能だ。
あるいは、世界の工場と揶揄される中国の実態は、世界中の企業が、中国の軍事産業に協力している、という結論を導くことになる。
今日本の優秀な研究者や技術者で全く中国とは研究していません、という人は少ないはずだ。日本では評価されるが世界では評価されていない研究者ぐらいかもしれない。働く環境や待遇も含め、平和目的ならば国際協力は奨励さえされてきた。
それが今米中関係が怪しくなってきて、平和目的の協力さえも軍事協力と批判されるようになってきた。
当方も蘇州にあるナノテクのメッカ、ナノポリスで技術アドバイザーとして活動してきたが、これは日本の補助金のいくつかに応募しても落選し続けたカオス混合技術に関して技術開発を進める目的があった。
日本では評価されない技術開発を行うために平和目的の協力である。そして開発成果は、セミナー会社から招聘される技術セミナーで公開してきた。高分子学会からも講演依頼を受けたときには躊躇せず講演している。
また、某日本企業の製品開発のお手伝いをさせていただき、最新の開発成果を実用化している。特許を検索していただけば弊社の活動の一部を見ることができ、それだけでも十分に日本企業に貢献していることを理解していただける。
これらの成果について、日本政府からお金をもらっているわけではなく、弊社の活動資金だけで開発した成果を日本企業に提供しているのである。
ただ、米中関係がおかしくなって、この中国の仕事を今年度からは辞退している。タイミングよくコロナ騒動が起き、活動そのものも円満に終えることができた。
カオス混合技術が軍事転用されたときの影響は、一般の民生機器が軍事で使われるような程度の影響と捉えている。小生はその特殊な設計技術を公開していない。おまけに日本では評価されていなかったという理由で、ほとんど無害な技術という評価となる。
ただ、学術会議の対中国協力の問題は、当方の高分子技術に関する中国企業指導とは少し性質が異なってくる。日本政府から国民の税金で優遇されている先生たちが勝手に中国へ協力していたなら、それは大問題だろう。
日本で評価もされず金ももらっていない当方でさえも中国で成果を上げたことを日本に還元するように努力している。無料セミナーなどもその一環であるが、国家から優遇されている先生方は、当方の姿勢を見習っていただきたい。
カテゴリー : 一般
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