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2020.11/08 科学と芸術の違い

科学者による科学論には多くの著書がある。古くて有名なところでは、マッハ力学史がそれで、力学の発展史をもとに科学という哲学について論じている。

 

科学論同様に芸術論も多いが、科学論では西欧近代科学が成立した17世紀からの歴史が取り上げられるが、芸術論では人間の創造的活動が始まった時期を明確にせず論じられている場合が多い。

 

このことから科学と芸術は、扱う対象も含め明らかに異なるのだが、科学論の中に芸術との対比を持ち出される方が多い。

 

おそらく科学も芸術も人間と自然との関わり合いの活動だからだろうと推定している。

 

例えば中谷宇吉郎著「科学の方法」には、「科学が自然に対する認識をつくることと、芸術家が美術品を作る場合と、どこがちがうかというと、その間には、はっきりした区別がある。それは作ったものを評価する場合の物差が違うのである。」と書かれている。

 

ここでいう物差については、「科学の知識の集積」と説明されている。この物差を用いて思考形式の眼を通じて自然を眺める、人間と自然との協同作品が科学の本質と述べられている。

 

この人間と自然との協同作品という考え方は、芸術にも当てはまるゆえに、科学と芸術を論じる科学者がでてくるのだろう。

 

一方で人間と自然との協同作品を作るにあたり、体系化された形式知を用いなければならないところが芸術との差異で、自由奔放に美を追求できる芸術家に対して、定まったルールの中で創造活動を行う難しさが科学者にある。

 

この中谷氏の説に従えば、技術者を科学者と芸術家と同列に扱う場合には、科学者と芸術家との中間に位置し、両者の要素をもって人間と自然との協同作品を作ることが技術開発と思えてくる。

 

これが20世紀では、技術者は科学者の下部であることを強いられたが、21世紀には芸術家でもあることにも目覚める必要があると思っている。

 

すなわち科学を学んだレオナルドダビンチが21世紀の技術者象と思っており、技術者が科学者の下部から独立する自覚が求められる。

 

弊社の問題解決法は、自立した技術者の活動に役立つ内容を目指している。今月無料セミナーを行うのでそのあたりを確認していただきたい。科学にとらわれない自由な発想により独創性のある技術を生み出す方法を提案している。

 

カテゴリー : 一般

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