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2020.11/22 技術者の解放(9)

界面活性剤の話が水と油の関係で議論されているおかしさに気付いている人はどれだけいるだろうか。

 

 

界面は、水と油のような性質の異なる物質の間ではどのような組み合わせでも必ず生じる。例えばPPSに6ナイロンをブレンドした時にもPPSと6ナイロンとの間に界面が形成されて相分離する。

 

この時界面エネルギーを安定化させる添加剤を高分子の世界ではコンパチビライザーと呼ぶ。あるいは相溶化剤とも呼ぶがこれも界面活性剤の1種と見なせるが、界面活性剤の教科書にここまで書いてない。

 

あるいは、これを界面活性剤と呼ぶと高分子を知らない人だという学者もいる。それでは、仮に界面活性剤とコンパチビライザーの中間の性質の界面に影響を及ぼす効果のある物質があったとするなら、これを何と呼ぶのか。

 

電気粘性流体の耐久性改良実験で見つかった界面活性剤は、水に分散するとミセルを形成し、臨界ミセル濃度も存在したが、他のよく見かける界面活性剤とは少し異なる分子構造をしていた。

 

アイオノマーとポリオレフィンのコンパチビライザーになりそうな格好にも見えた。すなわち界面活性剤として知られていたが、コンパチビライザーとしても用いることが可能な添加剤だった。

 

逆に、高分子添加剤の中には、わずかに水和により溶解し分散する添加剤がある。おそらくこのような添加剤は界面活性剤と呼ばれていないだろう。しかし、特殊な用途では、界面活性剤として機能するときがある。

カテゴリー : 一般

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