2020.12/28 アイデアの出し方(12)
20世紀に流行した科学的な問題解法ツールとしてTRIZ、あるいはその進化形USITがある。これにはまると大好きになる人がいるので不思議なツールだ。
21世紀になってもこの普及に力を注いでいる人を見てびっくりした。20世紀はもう終わった、と言いたかったが、単身赴任したばかりだったので嫌われないように黙って様子を見ていた。
このツールにはまって虜になった人が先生になり、若い技術者を指導していた。面白いのは反発する人が必ず出てくることだ。
こんなツール使っても今実行して出てきたアイデアと変わらない結果である、とか、ツールを使わないで予想した結果と同じ、だとか、である。すると、先生役は、「科学的方法だから当たり前の結果が出てくる、それでよい」としたり顔だ。
素直な生徒ならば、そこで収まるが、あるグループで大炎上していた。「こんなもの意味が無い」とずばり本質を突いた意見が飛び交っている。
だいたい、今時十分な科学の訓練を積んだ技術者ならば、TRIZやUSITを使わなくても、科学を道具として使い、TRIZやUSITで得られるアイデアを出している。
今求められているアイデアは、イノベーションを起こしうる力を持ったアイデアだ。例えばiPS細胞のアイデアのようなものだが、これはTRIZやUSITで導き出されない可能性が高い。
もし、答えが得られたとしても、順列と組み合わせから膨大な工数の実験を要求する答えになるはずだ。それでもTRIZやUSITを使いますか?
カテゴリー : 一般
pagetop