2021.01/17 考える(5)
技術者が「考える」手順は、科学的方法に準じて行う時もあるが、これだけでは不十分で、実は科学者よりも技術者の方が「考える」手順は難しくなる。
なぜなら、科学者は科学的方法により考えておればそれで済む。しかし、技術者は、ファーガソンの言うところの心眼が必要である。
STAP細胞の騒動の時に、「未熟な科学者」という言葉が飛び出したが、小学校から科学的手順について教育を受けていても未熟という言葉が使われており、この基準に沿うと、技術者になれる人となれない人が出てくる。
科学者さえなれない人は、今の時代技術者になれない。ただし、技術者にはなれないが、職人にはなれる。なぜなら、科学誕生以前には、職人の中から技術者が育っていたからである。
現代の技術者は、職人+科学者+αの能力が要求される。ゴム会社にいたときに、だれでも技術者にはなれるが、科学の研究者は難しい、と言われていた上司がいたが、勘違いがはなはだしい。職人と技術者は異なり、技術者になるのは、科学者よりも難しい。
科学者は、今の時代、まじめに勉強すれば、誰でもなれるのだ。だから、未熟な科学者とは、学習不足の科学者と言い換えても良い。また、科学を理解していないで技術者を名乗っている人は職人である。
カテゴリー : 一般
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