2021.02/05 高分子の難燃化技術を考える(5)
高分子材料の難燃化技術は、1970年代に体系的な科学としての研究が始まったととらえている。その後もアカデミアでの研究が続けられているが、不燃化ではなく、難燃化という考え方が確立されたのも1970年代である。
実は、高分子を燃えにくくしようとする試みは、ピラミッドの時代から存在し、竹取物語では、高分子の不燃化が不可能である予測が登場し、かぐや姫のセリフにそれが示されている。もっともかぐや姫は月よりの使者だったので未来技術を知っていても不思議ではない。
それがようやく1970年代に火災に関する科学の体系的研究が活発になり、極限酸素指数法や、1983年にはコーンカロリーメーターの発明がなされている。
1980年代は高分子の難燃化が、科学による形式知が明確となり技術として発展し始めた時代であり、1993年につくばで第一回発熱速度と火災に関する国際会議が行われている。
この高分子の難燃化というテーマは、科学と技術について学ぶには大変適したテーマである。形式知だけで火災という現象をすべて記述できないことは明らかであるように、どうしても経験知をその理解のために使う必要がある。
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