2021.02/10 森失言問題の視点
東京オリンピックの開催是非の決断も含め、森氏の代役を引き受ける人はそれなりの覚悟が必要となる。開催に反対する国民が50%を超えている状況で彼の役職は、単なる名誉職ではないのだ。
ネットには様々な意見が出ているが、今回の問題を考えるときに「コロナ禍における東京オリンピック開催を推進するリーダー」という視点を外すことができない。
東京オリンピックを開催すれば、仮に成功裡に終わったとしても国民の反対を押し切って開催したリーダーという汚名は残る。
また、参加国の減少は避けられないとの予測がされている中で、成功と評価される確率も低い。歴史に名を残せても、現状では不名誉と感じる人もいる。
ありえない想像だが、仮に当方が任命されたとしても相当の覚悟が必要だろう、と思っている。
ゴム会社で高純度SiCの事業を当時の住友金属工業とのJVとして立ち上げた苦労を思う時、国民の70%近くが開催に反対している東京オリンピックを開催できるように推進する役目は、この日本においても死さえも覚悟する必要がある、と感じている。
社長方針が出ているのに研究所内の反対が多い中、高純度SiCの事業を企画し、当方がJVを立ち上げた後FDを壊されるような嫌がらせを受けたが、反対者がどのような行動をとるのかは、法治国家といえども予測できない恐怖がある。
これは極端な予感ではなく、社会的な影響の大きい事件が隠蔽化されてきた風土では、起こりうることと覚悟する必要がある。実際にFD事件は隠蔽化された。
当方は命が大切だったので転職を決断したが、後を引き継がれた方は、在職中脳梗塞となられて寿命を縮め、2年前に亡くなられた。葬儀に参列し、四面楚歌の中のリーダーの覚悟を改めて考えた。
東京オリンピック開催を推進するリーダーは、今や単なる名誉職ではない。開催まで半年もない中で国民の反対を押し切って様々な難局を乗り越えなければいけない役職である。
森氏が適任かどうかという問題と代役を務めてくれる人物がいるかどうかという問題がある。単なる「やりたい人」では務まらない。
おそらく夏になっても国民の半数以上が開催を反対している可能性が高いので、その役職に命をかける覚悟が求められる。
視聴率の低かった大河ドラマ「いだてん」では、東京オリンピック開催にいたるまでに繰り返された汚れた活動も描いていた。
今回のオリンピックでも賄賂問題でJOC会長が竹田氏から山下氏に交代する事件が起きており、その時森氏の団体に1億4500万円のお金が支払われていることも問題視された。
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