2021.03/26 部材コンセプト
バブル崩壊後素材から部材への掛け声のもと素材産業が川下を目指した。有機ELをはじめ熱伝導樹脂や半導体樹脂、高機能フィルムなどが部材の代表格である。
特許を見てみるとほぼアイデアは出尽くしたようだが、メタマテリアルについては今ようやく産業界も注目し始めた段階で、2件ほど弊社へ問い合わせがあった。
このメタマテリアルについては製造してみなければその電気特性等よくわからない部分がある。
かつて半導体材料を設計している段階でメタマテリアルに遭遇したことがあるが、商品スペックを満たさない材料だったので詳しく研究していない。
当時測定した結果では、インピーダンスの周波数依存性等が反転したような物性だったが、完全な反転ではない。
たとえば通常の高分子材料では、多かれ少なかれ低周波数領域でインピーダンスの異常分散が生じる。
周波数0に向かってインピーダンスが上昇する現象であるが、メタマテリアルでは周波数無限大に向かって上昇する傾向や、ある周波数でピークとなり減少に転じる現象などわけのわからない変化だった。
電気粘性流体では、インピーダンスがある周波数でピークを持っている場合に応答性がよく性能が高い材料となった。この体験から材料の構造など思考実験を進めているが、実際に製造したくてもコロナ禍で実験場所を失い困っている。
カテゴリー : 一般
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