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2021.04/21 アイデアの出し方(3)

メロディーを構成するコードには3つの機能が備わっている。これについて、音楽用語では、トニック・ドミナント・サブドミナントと名前が付けられ機能分類されている。


トニックとは非常に安定したサウンドを持つKeyの主役的コードである。ドミナントはそれに対して非常に不安定なサウンドを持ち、トニックへ力強く進もうとする性質のコードで、サブドミナントとは、ドミナントほど不安定ではないが、トニックへの解決を誘う響きのコードで、例えばキリスト教の「アーメン」という響きがこれだそうだ。


また、この3つの機能のコードには、その代役となるコードが存在し分類されている。また、コードに7度の音を加え4声としたり、9度11度13度の音を加えたテンションコードなるものも存在する。


すなわち、ジャズのアドリブでは、プレイヤーはこのような経験知によるコードの分類を頭に入れてリックを仕込んで置き、それを即興演奏で吐き出すことにより聴衆を楽しませてくれる。


実はこの方法を技術開発におけるアイデア創出法に応用できる。形式知はトニックに相当する。そして経験知は現象の理解を進め形式知に向かおうとするドミナントのようなところがある。


暗黙知は、まだ具体化もできず実体のない不安定感があるのでサブドミナントという塩梅でとらえてみてはどうか。暗黙知を具体化しようと実験を進めるうちに仮説が思い浮かぶこともあるかもしれない。


実験は仮説を検証するために行うのだ、と20世紀よく言われたが、これは科学の立場である。技術では機能を取り出すためや機能のロバストを確認するために実験を行う。実験は、3つの知の吐き出される舞台であり、あらかじめ仕込まれたリックを展開するジャズのように楽しくスイングすべきものだろう。


そして知識を常にこの3分類で整理しておくと実験結果を報告する会議などで、さらに進んだアイデアを出すことができる。コードに似た分類だけでななく、知識のテンションなるものも存在するので、どこでもアイデアを出せるようになる。弊社のコンサルティングは、単なる情報提供ではなくこれを目指している。

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