活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2021.04/28 マスク

コロナ禍でマスクをつけるのが常識となり、新しいマスクの提案や、マスクの機能比較、さらには富岳によるシミュレーションなどマスクに関する話題が多い。

ここで日ごろ疑問に思っているポリウレタン製マスクは60%程度の飛沫を通過するだの、防御性能がマスクの中で一番低いなどという富岳のシミュレーション結果を基にしたコメントが多い。

あの富岳のシミュレーションがどのように行われたのか存じ上げないが、昔ディーゼルエンジンの煤を取り除く触媒開発を少し手伝った経験からシミュレーション結果に驚いている。

その時には、マスクに使われているポリウレタン発泡体よりも大きな開孔サイズでありながら100%近くナノオーダーの煤を取り除くというシミュレーション結果が出ている。そして実際に実証データも示されていたのでシミュレーション結果が正しいことが確認され開発が進められた。

この技術はトラップレストラップと名ずけられ、圧力損失の少ない触媒システムだった。富岳のシミュレーションに疑問を持ったのはこの時の経験知からである。科学的シミュレーションとNHKなどでも紹介されたが、実証データを未だに見たことが無い。

ポリウレタンマスクは他の一般的マスクに比較してカラフルであり、ファッション性が高い。また装着感も悪くない。ウィルスを取り除くためには、開孔率を下げなければだめだ、とか開孔面積を小さくするとかいろいろ書かれているが、これに従うと通気性が高く快適でありながらウィルスを透過しないマスクを開発できないことになる。

最近東工大名誉教授が発明した、と宣伝しているナノファイバーマスクは、装着してみると快適である。これで99.9%以上の微粒子をトラップするという。

富岳のシミュレーション結果ではポリウレタン発泡体マスクの性能が悪い結果であったが、実はポリウレタン発泡体製でも正しい実験を行えば富岳のシミュレーション結果よりも良い値が出るのではないか、と思っている。世の中には科学的なようで科学的ではない情報が溢れている。

カテゴリー : 一般

pagetop