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2021.06/07 コンパウンドの問題は難しい

高分子成形体の事業は、コンパウンド技術に関わる事業と成形技術のかかわる事業に分かれている場合が多い。タイヤなど一部のゴム加工業ではコンパウンドから成形体まで一気通貫で行われているが、これは少数派の事業形態である。

その結果、アカデミアでも盛んに成形技術の研究が行われてきたが、コンパウンディングについて研究をしている研究者は少ない。福井大学などごく一部である。

タイヤメーカーではコンパウンディング技術の難しさを十分に理解しているが、成形技術だけで事業を行っているところは、コンパウンドで発生している問題について理解していない企業が多い。

その結果アカデミアに相談したりするので、アカデミアでは「いかなる素性のコンパウンドでも安定な成形加工ができる技術」という途方もない高度なゴールを成形加工技術の研究目標にしていたりする。

アカデミアはこれで良いかもしれないが、事業者としてはとりあえずゴールを実現しなくてはいけないので大変である。実は成形加工技術の問題について、コンパウンディング技術の改良で対応したほうが簡単に解ける場合が多い。

タイヤ会社の技術者は経験知としてそれを知っているので、成形加工技術のゴールをアカデミアのような途方もない高度なところに置いていない。

成形体に問題が出た場合には、コンパウンディング技術者と成形加工技術者が協力して問題解決にあたる。そしてコンパウンディングの問題の難解さに気がつき、コンパウンディング技術に研究開発の重点を置くのである。

企業で成形技術を担当している技術者でも頓珍漢な人がいて、コンパウンドの配合処方や製造プロセスは改良せず、成形プロセスも現状のままで投資をせず問題解決できないかと過去に相談された。

そこで、子会社の敷地の空いている場所に中古の混練機を買って3か月で立ち上げ、問題解決した。

コンパウンドの改良をしたにもかかわらず、社内の相談者は、コンパウンドを子会社から購入する商流なので問題ない、と喜んでいた。成形加工技術では、とかくコンパウンド技術をブラックボックスとしがちだが、弊社にご相談いただければリベールし問題解決いたします。

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