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2021.06/12 若い人へ(1)

トヨタ自動車のような会社でパワハラにより入社3年目の社員が自殺した問題は、社会に少なからず衝撃を与えた。21世紀になり、各種ハラスメント対策が各企業でなされてきての事件であり、また、その現場も優良企業である。

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トヨタ自動車では360°の人間性を重視した人事評価を導入して再発を防ぐとニュースでは報じられているが、多面評価であっても防止が難しい各種ハラスメントである。

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それは各種ハラスメントが交流とそこで発生する人間関係に起因しており、システムの対策だけではその陰に隠れてしまう可能性が残る。

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ハラスメントの発生をシステムで完全に防止できないならば、システムではなく最悪の事態だけでも避けられる風土を作り上げることは重要である。

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ハラスメントとは受け手に左右される問題なので、受け手がハラスメントを感じたときに柔軟な選択ができる風土にしなければならない(注)。

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すなわち、ハラスメントを受けたと感じる人がそのハラスメントからいつでも逃げることが可能な風土は最悪の事態を防ぐことができる。また、そのような風土では仮にハラスメントがあったとしてもハラスメントと感じないかもしれないのだ。

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そのような風土ではない環境に置かれた若い人は、転職を選ぶように心がけていただきたい。少しでも死にたいと感じたならば、転職すればよいのである。とにかく生きていなければ明るい未来を見ることができない。

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(注)55歳を迎えたときに早期退職制度を利用して退職する覚悟を決め単身赴任した。処方などを変更することなく半導体ベルトの歩留まりをあげるという科学的に不可能な仕事を成し遂げるためだった。少なくともフローリー・ハギンズ理論が完璧な理論であれば、PPSと6ナイロンが相溶する現象など不可能なので、仕事を引き受けた責任が問われることは明白だった。

バブルの時にセラミックスの専門家の当方に高分子技術の管理者として乞われて転職しても会社の統合とリストラで窓際である。その会社には当方がいなければ実現しなかった技術を幾つか成果として残している自負と転職時の約束と異なる処遇であり、このままでは死んでも死にきれない悔しさがあった。最後に世間があっと驚くような仕事をして退職したいと思っていた。それゆえ、当方しかできない仕事だ、当方なら必ず成功する、と調子のよい言葉を並べた部長の科学的に不可能な依頼を快く引き受けた。当方としてはゴム会社の新入社員時代に教えていただいた秘策、幻のカオス混合技術を試してみたかった欲もあった。運よく20世紀末にその時の指導社員の出身研究室だったかもしれないところからカオス混合のシミュレーション研究が発表された。シミュレーションで使われたシステムをそのまま実用化することは技術的に困難だが、カオス混合により混練が劇的に効率よく進むという科学的証明は、退職を決意してまでそれに掛ける価値があると思った。科学的に究極の混練技術と証明されたのである。あとは技術としてそれを実現するだけだった。

無事カオス混合技術のプラントを子会社の敷地に3か月で立ち上げ、科学的に不可能と思われた技術を処方も変更せず、外部からコンパウンドを購入する、というサプライチェーンも守ったまま成功させたところ、環境対応樹脂を開発してほしい、と役員から頼まれた。2011年3月11日を最終日とする条件で引き受けた。定年まで4年近く残しての退職なので引き留められるのかと思ったら、最後は盛大な退職パーティーとすると言われて、少し寂しく感じたのは、やはりサラリーマンである。そして、再生PET樹脂を環境対応樹脂として完成させて最終日を迎えたが、15時からの最終講演も退職記念パーティーも無くなった。しかし、ストレスの溜まるような、また成果として報われない仕事を自ら引き受けた20年だったが、今元気に生きている。辞めたい時にはすぐに辞めさせてくれる、死を考える必要のない良い会社であるが業界トップではない、時には経営危機になったりする刺激もあり、死ぬことを考える前に転職を考える機会もある。

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