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2021.07/23 解任の意味

昨日開会式のディレクターの一人が組織委員会から解任された。小山田圭吾よりも悪い人間がいたのか、と思ったら、数年前からYOU TUBEでコントを無料公開し、その収益を災害復興や障がい者団体に寄付していた小林賢太郎氏である。


いじめ自慢を商業的に展開し、自己の価値を上げていた以上の悪事を働いたのか、と思ったら、過去にこの人は漫才をやっていたらしい。らしい、と書いているのは、この人の漫才を聞いたことが無いからだ。


小山田圭吾のパクリなのかどうかわからないような作品は、NHK教育番組にも流れているからよく耳にする。それがサブカルの作曲法、サンプリング(サンプリングと盗作が異なる、というのは驚きであるが、パロディーのような二次創作と考えれば納得できる。)として知っていたが、今回解任された小林氏については全く知らないので売れていなかったようだ。


その人気が無かった漫才師の時代に「***ごっこ」とか国際標準ではタブーにされている用語を用いたために今回の解任に至ったらしい。小山田圭吾以上の悪人と評価されたわけである(国際的な大問題であると捉えれば、この視点も正しいが。)。


職をやめる言葉には、「辞任」や「退任」、そして今回の「解任」があるが、「辞任」や「解任」は何か不適切なことがあり、職を「辞めさせる」場合に用いる。任期がきたりして、不都合が無く退くときには「退任」である。


辞める側に立った場合に、「辞任」と「解任」とでは少し印象が異なり、前者は自ら反省し職を退く意味があり、後者は、簡単に申せば有無を言わせず「くび」を切ることである。


メディア業界でいじめの商業利用により有名になった小山田圭吾を組織委員会は、引き留めたあげく辞任として最後は世間の常識に従ったのに、人を傷つける笑いはいやだ、と公言し、すなわち過去を謝罪し、災害復興や障がい者支援のための寄付活動までしてきた人物を、なぜ、すぐに解任としたのだろうか。


本日は開会式なので時間が無い、という理由はわかる。しかし、小山田問題が起きてから十分な時間があり、今回解任された人物についてネットにも漫才ネタの情報が出ており、それを調べてゆくと過去の贖罪も十分に反省している事実にであう。なぜこのような人物に対して小山田圭吾のような擁護をしなかったのか不思議である。


小山田圭吾の問題は、過去にいじめをしただけでなく、それを自分の活動に商業利用してきたことだ。そのようなブラック人物を擁護したあげく、うわべの謝罪の機会を与え、最後に辞任という花道を与えた感覚がよくわからない。


国際標準では重大な事件にもなる用語を漫才のフレーズとして用いたが、その後反省し贖罪活動をしてきた小林氏の問題は、解任ではなく辞任とし本人擁護(注)の会見をすべきではなかったか。小林氏の問題は小山田圭吾とは少し異なり、寛容の姿勢を示すべき事例(国際的な理解が得られるような表現は難しいかもしれないが)となったはずだ。


ネットにも記録として残っている公序良俗に反する官僚ノーパンしゃぶしゃぶ事件の過去があっても出世できるが、過去を謝罪し寄付活動まで行っても許されない社会とは、いかなる社会だろうか。また小山田氏と小林氏のケースにおける考え方の違いなども含め、その判断基準について記者会見の席で質問をする記者は現れないだろうか。


(注)「**ごっこ」は、今でもその扱いが重大事件になるナチスドイツの所業であるが、小林氏は過去にその謝罪をしており、活動にもその姿勢を貫いてきた。国際的に重大問題であればこそ、国家の立場で丁寧に説明し、解任ではなく辞任とすべきだったように思う。首相の強い言葉は海外に向けて発せられた言葉であるが、組織委員会の扱いには疑問が残る。小林氏の過去の問題は、今でも関係者の逮捕や裁判がある重大事件であるが、いじめの商業利用は、ナチスドイツの行いと罪の重さに差はない。

カテゴリー : 一般

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