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2021.09/17 二審で労災認定

トヨタ社員40歳の自殺が二審で労災認定となった、というニュースが流れた。最近の自殺事件ではなく10年ほど前の事件だが、トヨタのような優良企業で自殺者というのが不釣り合いで、さらに労災かどうかで争われている。

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トヨタに限らず最近は業務上の自殺に関するニュースが多い。有名なところでは忖度で争われている財務省の事件も書類の改ざんで自殺である。

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当方がかつて勤務したゴム会社研究所は、現代の尺度でとらえるとパワハラセクハラなんでもありだったように思いだされる。当方は高純度SiCの半導体治工具事業を立ち上げたときに様々ないじめにあい、FDを壊されてそれが隠蔽化されるというのでさすがに命の危険を悟り転職している。

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FDの壊され方がすごかったが、そのような事件がおきるような職場でも12年間自殺者はいなかった。ただし、鬱を発症する人は他職場に比較して多い、といううわさがあった。また、鬱を発症すると職場異動になっていたので、それなりの労務管理がなされていたのだろう。

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また新入社員の3か月間、残業代が出ないことが分かっていても自ら過重労働を行い、樹脂補強ゴムの実用配合を開発したところ、職場異動となり、指導社員が美人の女性に代わった。そして定時に帰宅するように躾られた。

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今の尺度で考えれば、逆セクハラで、望んでもいないのに業務後に食事に誘われた。美人との食事だったので思い出として悪くはないが、当時は高分子の勉強に燃えていたので少々迷惑だった。指導社員も結婚されていたので当方のために時間を使い大変だったのだろうと当時の状況を思い出している。

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あまり望まなかった指導社員との定時後の食事以外に新入社員時代には責任を問われないので力いっぱい仕事をやれ、と研修で役員から檄を飛ばされていたが、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作を成功させたときに始末書を書かされた出来事は、明らかにわけのわからないパワハラである。

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当方が命じられてすぐに始末書を書かないので、周囲は新入社員による上司いじめと揶揄した人もいるが、命じられた成果を出したのに始末書を書け、という論理が不明だった。また工場試作の調整や決定を新入社員ができるわけでもないのに、なぜ当方が始末書を書かなければいけなかったのか理解できなかった。

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世界初の試作は成功していたのだ。ただ大きな問題点は世の中に存在しなかった世界初の化合物を当方が合成して用いていたことである。ところがこれは最初の企画説明で大変難易度の高い「研究」であることを説明していた。当方が簡単に実験を次々と成功させて半年もかからず試作レベルの技術まで仕上げたことが問題だったようだ。

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これを大した技術ではないと甘く見たのは上司の責任である。正しくは最初の3か月間の指導社員が神様のような指導をされたので当方のスキルが当時の上司のレベルを超えていただけなのだ。

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散々書く書かないで課長である主任研究員ともめた後、燃焼時のエネルギーでガラスを生成して難燃化するホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画を添付する条件で理不尽な始末書を書いている。

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高度経済成長で誰もが元気だった。当方は上司に対してまともに対応したために、一晩で企画をまとめてこいと言われて独身寮で徹夜してホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームの企画をまとめる様な事態になったが、上司のパワハラを馬耳東風とするつわものもいた。

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職場の環境がどれだけ悪くても命を粗末にするような選択だけはするな、と言いたい。八方ふさがりとなれば転職すればよいのである。出世された人が優れた人格者ばかりであれば、GDPがいつまでも上がらないような日本の状態とはならない。

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また、池袋の親子を事故死させても自分の責任としないエリートに最近判決が出たが、あのようなエリートが少ないのであれば、今の日本はもっと良くなっているはずだが、そうではないのだ。これは、人事評価を多面評価にしても改善される問題ではない。良くない社会の責任は、エリートの責任である、と言われたエリート意識の否定も一因かもしれない。エリートはエリートの自覚とその責任を社会に果たさなければいけない。エリートとは単なる高給を約束された立場ではないのだが、そうなっているからGDPが上がらないのである。

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かつて話題になったスーパーボランティアの方のような人を単なる話題ではなく、誰もが本当に称賛するような社会とならない限り、日本は変わらないのである。偽善で成り立っている社会を描いた映画エレファントマンに感動していてはだめである。真の愛ある社会なり組織としなければ、よくはならない。ゴム会社がグローバル化する前はどこかに愛があるような幻想があった。例えば始末書でもめているときに周囲には声援を送ってくれる同僚がいた。FD事件を明らかにしたときに、周囲は沈黙した。これが12年間の組織の変化である。当方は死を選ばず転職している。それもセラミックスの専門を捨てた転職である。一応ゴム会社には忖度したので円満退社だそうである。

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