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2021.09/24 国は半導体事業へ投資を

空前の半導体不足で自動車の生産も一部止まっているらしい。コロナ禍で国内の半導体工場の事故が影響している、と書いてあった記事がある。


今、何らかの高機能製品には半導体が使用されている。スピーカーさえもCPUが搭載される時代になった。身の周りの製品を探せば10点以上は半導体を用いている製品を容易に見つけることができる。


昔、半導体は産業のコメと言われた時代があった。その主食であるコメを政府は国内で製造しないという判断をしている。少なくとも現在の日本の半導体不足は国の産業政策の失敗が原因と思われる。


責任を取らないような組織の文句を書いてもしょうがないが、今産業のコメとなる半導体を自前で安定供給可能な状態にするためには1兆円規模の投資が必要となるので、民間企業が新規に進出するにはリスクが大きい。


10兆円以上の金額を書いている記事があるが、それはやや誇張だと思う。しかし、最低でも1兆円はかかる可能性が高い。現在韓国などで稼働している工場をそのまま建設するだけならば、半分以下の投資で済むかもしれないが、工場が建設された後十分な競争力があるようなプロセスとするためにお金がかかるのだ。


昔、高純度SiCの粉末について10kg/日で生産できる工場を2億4千万円で立ち上げたが、パワー半導体用SiCウェハーの工場を現在建設するならば数100億円以上かかるであろう。コメの原料部分の一部についてこれだけの費用がかかるのである。パワー半導体の最先端の生産プロセスを国内で建設する場合に数千億円は投資が必要となる。


パワー半導体はこれから伸びる領域であるが、それ以外の旧来のSi系半導体についても同額かかる。ゆえに1兆円以上の投資が必要と見積もっている。今国内にこれだけの投資をできる半導体関連事業者はいないので、どうしても国策で、となる。


日本における半導体生産に関するニュース記事に人材がいない問題も指摘されている。しかし、若い技術者はいないかもしれないが、定年退職した技術者で元気な人がいる。例えば当方もそのようなプロジェクトが立ち上がるならば参加したいと思っている。まだ若い技術者には負ける気がしていない。年寄りを活用すれば人件費を安くできる。

 

カテゴリー : 一般 電気/電子材料

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