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2021.09/28 タグチメソッド

技術者が科学知識を身に着けておくことは常識であり、義務教育では、科学教育が9年間行われている。国民の90%以上が高卒レベル以上の科学知識を身に着けている日本では、技術者の科学知識については十分だろう。


しかし、技術に関する経験知や暗黙知の獲得の仕方については、企業で実務を経験するまで学ばないけれど、最近は企業も従業員教育を昔のように一生懸命行っていないから、技術者の知識獲得機会はかつてより減少している。


ゴム会社は人材育成にかなり力を入れており、職場教育や3年ごとの一斉研修などがあり、学ぶために就職したと感じる様な会社だった。研究所はさらにアカデミアよりも形式知重視で否定証明の報告書も立派な報告書として扱われたりしていた。


転職してびっくりしたのは、社員教育への企業投資の違いである。おそらくゴム会社は伝統的に人材教育に力を入れている企業で、それがまた創業者の精神伝承の一つだったと転職して感じた。


写真会社は、おそらく世間の標準程度の人材教育をしていたのだろうが、20年勤務している間に人材教育も自己責任となっていった。ゆえに社員で自分磨きに投資している人とそうでない人はきれいに相分離する様子を観察することができた。


この様子を見て、当方は勉強の重要性を部下にしてきたのだが、窓際になってからやめた。成果を出してもそれが人事評価に反映されないのなら、ワークライフバランスを取りながら働いた方が賃金上昇が無い現代においては得なのである。


だから、ワークライフバランスが流行するのであり、窓際族が口をだしては、たとえそれが教育目的であったとしても迷惑だろう。今なら積極的なサービス援護はパワハラやセクハラとの誤解を受ける時代でもある。窓際族は静かにしているのが無難である。静かにできないならばさっさと退職したほうが精神衛生上よい。


働くという道徳的な概念が定着しないままワークライフバランスを導入された結果、勉強しない人はどんどん仕事ができなくなってゆく。また仕事ができなくても終身雇用なので給与が入ってくる。大卒が50%近くを占めるようになったので人事評価の平等性が難しくなったが、学習を自己責任とすれば相分離が自然に起きるので、それを容易にする。


その結果、理系の大学出身であれば、高学歴な作業者となってゆく。たとえそのように処遇されたとしても身に着けておきたいのはタグチメソッドである。タグチメソッドは現象を見る眼力を磨くことができる。タグチメソッドだけは勉強しておきたい。個人でも構わないのでご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。

 

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