2021.10/05 コンセプトの必要性
科学でうまく説明できない現象について、技術者はどのように問題を議論し、アイデアを生み出していったらよいのか、これは重要な問題でありながら、また、問題解決法として技術者が知りたい問題でありながら具体的に誰も説明できていない。
やれ右脳左脳理論だの思いつきを論理にする方法だのこのような分野を目指して書かれた書物が最近流行で、およそ能天気に運よく出世できた人たちは、このような本を部下に進めたりする。
自分ではできないから他人の著書で自分もそうやってきた、と暗に言いたいのかもしれないが、他人の成果に平気で胡坐をかいて座っていた人も稀にいるから横で見ていてやりきれない。
当方は若い時に上司から本を勧められると「今の仕事に役立ちますか」と、質問してきた。そして自分の知らなかったことや、本当に実務で役立ったときには心からお礼をしてきたが、お礼を言わない方が多かった。
せっかくのアドバイスなのでお礼を言うべき、と考える人は、無駄な本を読む時間を強制労働と感じないのではないか。職務上の責任など無い仕事で始末書を書かされたり、本来は上司の書くべき書類を書かされたり、さらに二番煎じの本を読まされたり、と大変な時代だった。
今はパワハラセクハラモラハラなどが言われているので、上司受難の時代と言っても良いかもしれないが、それでも部下に本を勧めることが、相当な覚悟が必要ということが分かっていない人が多い。部下が上司よりも読書家だった場合には、恥となることを知っておくべきである。
当時はドラッカーの焼き直し本が多く、ドラッカーを読んでいなかった上司が多かったように記憶している。当方は高校生の時からドラッカーを読み続けてきたので、当時出版されていたドラッカー本はすべて読んでいた。ドラッカーもコンセプトの重要性を指摘していた人物の一人である。
ところで技術分野でコンセプトが力を発揮できるのは、このような科学でうまく説明できない分野で議論を円滑にし、アイデアを生み出すときである。すなわち、コンセプトを提示し、それを基に議論を進めプロジェクトに最も適したコンセプトに練り上げる作業により技術アイデアをまとめてゆくことができる。詳細は弊社へお問い合わせください。
(注)コンセプトがどのようなものか、を正しく理解していない人が多い。コンセプトの重要性を説く人がいるが、まずコンセプトがどうして必要なのか、コンセプトがあるとどのようなメリットが等々まずコンセプトを理解するための手続きが求められる。技術開発におけるコンセプトは、ただセクシーな言葉をちりばめたようなものではないのだ。また、ダイゴ語のようなコンセプトならば無い方がましである。
カテゴリー : 一般
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