活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2022.02/07 高分子材料で発生した問題

高分子材料で発生した問題の中には、何が問題なのか不明の時がある。このような話をアカデミアの先生にお話しすると不思議に思われるかもしれないが、写真会社の20年間、このような相談が無かった年が無い。毎年相談されても即答が難しい問題があった。


市場で使用状態が限られているような写真フィルムでもこのようなことが起きるのだ。汎用製品ではかなりの頻度で何が問題なのかわからない問題が起きているはずである。


例えば、帯電防止された印刷感材(印刷業界で使用される写真用フィルム)が自動化された作業工程の途中で静電気が発生し、張り付いているようなトラブルである。


静電気が発生して張り付いているので、写真フィルムの帯電防止性能が不足している簡単な問題、と即答される方は、この問題を解決できない可能性が高い。


現場で観察していると、他社の感材でもその部分で動きがおかしい。しかし、張り付いていないので問題なしと扱われている。


他社の感材を借り受け解析評価しても張り付く動作をする写真フィルムの謎が分からなかったりする。このような場合に悩んでいると他社に市場を奪われるので、改良品と称して他のロットを持ち込み、とりあえず問題解決する。


他のロットで解決できたのだから、製品の帯電防止性能が他社よりも劣っていなかった、と安心していると、ロットが変わった瞬間にまた同じような問題が発生して悩むことになる。


解析評価しても十分にスペックを満たしていても問題が発生する不思議な現象が冬場だけならば、乾燥が原因でとかいろいろ屁理屈をこねて本質的な問題が解決されないまま、問題が起きるたびにロット交換し過ぎてゆく。


当方は転職して一番びっくりしたのは、このような問題を前にして本質的な問題解決までしようとしない姿勢である。市場の品質問題では、その回避方法が分かれば本質的な解決がされず放置されることが多い。


実務では仕方がないことだが、科学の進歩に配慮した場合にもったいない機会損失となっていることに気がついていない。当方は、技術開発に注力したサラリーマン生活を送ったが、このような場合に本質的な問題解決に努め科学の進歩にも少なからず貢献してきた。

カテゴリー : 一般 高分子

pagetop