2022.03/18 成形体の均一性(1)
高分子材料の成形体を大別すると、射出成形に代表される材料へ圧力をかけて金型に押し出して注入し、さらに圧力をかけて固めて製造された成形体とフィルムのように金型から押出し、高い圧力をかけることなく成形された成形体に分かれる。
PETボトルはブロー成型と呼ばれる方法で、材料を膨らませて金型に押し付けるように成形して製造されるので、成形時に圧力がかかる成形法である。
すなわち、高分子材料の成形体には、押し出されて製造されただけの成形体と高い圧力がかけられて成形された成形体とがある。
押出成形でも一方向に延伸したり、縦と横に延伸(二軸延伸)されたり、して応力がかけられるので成形時に何らかの力が材料にかかっており、まったく材料に力をかけずに一定の形状で製造された成形体は無い。
このように高分子材料の成形体では、大なり小なり応力がかけられて成形されるので、その応力分布を均一にできない限り、どこかに歪が残る。
このような成形時の応力分布の不均一性以外に組成の不均一性が高分子材料の成形体には存在する。ゆえに品質管理技術が重要となるが、研究開発段階でこれを忘れている企業が多いのではないか。故田口玄一先生は、川下における品質のロバスト確保のために研究開発段階からタグチメソッドの使用を勧めていた。
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