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2022.04/22 思考の方法

小学校から科学的思考方法を学ぶので科学の思考方法を社会人ならば常識のはずだが、大学まで進学しても身についていない人が多いため、ロジカルシンキングのようなセミナーが未だに開催されている。


科学の思考方法は論理学に基づくが、技術の思考方法は芸術に近い。芸術との違いはそこに不正確な論理が展開される点である。科学は論理学が完成してから誕生しており、技術はそれ以前から存在していたので、技術における論理とは風が吹けば桶屋が儲かる式のように不完全である。


それでは芸術の場合の思考方法とは何か。それは、技術のような縛りは無く自由で感じるままの思考方法である。ゆえに先日この欄で河瀬氏の祝辞の問題点を思考法が間違っていると指摘している。


河瀬氏の祝辞の批判について言葉尻をつかんだ批判という批判があるが、東大内部でもその内容全体を問題視した見解が出ている。また、当方も公開された祝辞を読んだうえで思考法の問題という指摘をしている。


会社において問題の捉え方が異なると困るのでロジカルシンキングなる研修が流行するのだが、それでも立場が異なれば、意見の相違が生まれるとドラッカーは指摘している。


ところが河瀬氏や文春砲が炸裂した映画監督たちは思考方法が自己中心的な共通点がある。芸術では自己中心的に思考を展開しても弊害は少ないが、技術では機能が動作しないというペナルティが発生するので自己中を反省する機会に遭遇でき成長できる。


これも技術者と芸術家と異なる点だが、大学の入学式の祝辞を依頼するときにこのようなことを考えなかったのだろうか。今更このようなことを説明する必要は無いと思うが、東大という日本を代表する大学で起きた今回の出来事に危機感を感じるのは当方だけだろうか。

カテゴリー : 一般

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