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2022.04/25 体系の重要性

科学の果たしている役割の一つに現象の体系化がある。例えば理論物理学の深化を見ればその美しさに感動する。生物化学は今発展途上であり、数年前に著名な研究者の自殺まで起きたSTAP細胞の騒動がその象徴だ。


知識が体系化されることによりその伝承が容易となる。これは学ぶ側に立ってみると体系化されていない知識では難解に感じることから理解できる。例えば高分子科学は、その分類さえも未だ確定していないのでセラミックスよりも学ぶときに難しい。


ドラッカーが知識を習得したいならば体系に着目せよ、と述べているので、体系が存在しない学問はそれができず知識習得に際し苦労することになる。


当方はセラミックスと高分子の両方分野で研究者として、世間に貢献するレベルの技術を生み出した実績がある。


前者については、高純度SiC治工具事業を基盤技術が0のゴム会社で住友金属工業とのJVとして立ち上げ、この事業はその後日本化学会技術賞を受賞している。またこの受賞のエンジン部分について学位論文としてまとめている。


後者については、一流コンパウンドメーカーのコンパウンド技術では困難であった半導体無端ベルトの量産をカオス混合プラントを開発し立ち上げ、それを実用化している。


この仕事について、ゴムタイムズ社から混練の書籍として出版されたが、そこには当方の技術論に基づく混練の体系についてヒントをまとめている。


これらの経験から、学ぶときだけでなく、技術としてまとめる時にも体系が不明確な高分子分野は、いつでも苦労すると感じている。

カテゴリー : 一般

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