2022.04/29 混練の体系
材料力学は、一応完成した体系として大学4年間に学ぶ。しかし、その一部高分子のレオロジーについては、20世紀末にダッシュポットとバネのモデルの体系が崩壊している。
そして、分子一本から積み上げその体系を見直す研究が現在も行われている。OCTAは高分子物理を可視化できる優れたシミュレーターである。
高分子物理については今も発展途上である。ゆえにその体系が必要となる混練の体系も未完成と言わざるを得ないが、分配混合と分散混合という粉体の混合技術の体系が混練の体系として一般的に用いられている。
不思議なのは、当方がゴム会社に入社した時にはこの体系は無く、ダッシュポットとバネのモデルを使ったレオロジーの視点で学習している。もっともこれはOJTの中で毎日午前中3時間の講義を3か月指導された体系であるが。
今一般的に用いられている分散混合と分配混合による体系では、混練を単純な混合と分散技術としてとらえるときには便利でわかりやすい。
しかし、これではゴムや樹脂の目標物性をデザインしようとする時に応用できない。ゴムや樹脂では練りの要素が物性に現れるのでどうしても混練プロセスのレオロジーによる理解が必要になる。
少なくともロール混練では、ロール間距離の考え方や返しの技などが何故必要なのかを理解するためにレオロジーの視点がどうしても必要になる。
また、バンバリーでは投入順序により出来上がるコンパウンドの状態が変化する。これも分散混合や分配混合の視点から合理的な説明ができない。
さらに、カオス混合を実現したいと思ったときにどのようにプロセス設計すべきか分配混合や分散混合からアイデアをひねり出すことができない問題がある。
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