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2022.05/01 高分子の劣化

高分子材料は何らかの形で機能を発揮する。高分子の劣化は、使用される形態で議論されなければならない。かつて高分子の酸化劣化について溶媒中における酸化反応が議論されていた時代がある。


そして劣化機構として研究がまとめられていた。科学の研究としては面白いかもしれないが、実用性が乏しい研究成果で、高分子の燃焼挙動解析にも役立たない、と思っていた。


軟質ポリウレタン発泡体の難燃化技術を研究していた時に、燃焼時のガス分析を行ったが、ポリウレタンの単純な酸化反応では説明のつかない化合物ばかり検出された。


ポリウレタンの酸化について当時研究論文が出ていたので比較研究を行ったが、うまくまとめることができなかった。しかし、フェノール樹脂では当時の酸化劣化の研究論文を活かすことができた。


フェノール樹脂は、フェノールとホルマリンの重縮合で製造されるが、成形体に加工されたときにはフェノールとメチレンの重合した単純な分子構造であり、ベンゼン環は耐熱性が高い構造である。


恐らく単純な構造と耐熱性のおかげで実験室における劣化の研究と実際の酸化劣化とが類似機構で反応が進行していたのだろう。

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