2022.05/02 アーレニウスプロット
反応速度論においてアーレニウスプロットを行うと直線が得られ、その直線の傾きから活性化エネルギーが得られることを化学系の大学生ならば、初期の2年間の間に学ぶ。
おそらく高等専門学校でも反応速度論を学ぶと思うが、これが本来経験則から生まれた学問であることを知らない人が多い。そもそも化学反応機構を解析するために考案された経験則である。
無機化合物や有機化合物の反応機構の解析にこの反応速度論は重要なツールであり、アーレニウスプロットは、仮説設定した反応機構でモニターされた結果を確認するために重要な作業である。
これがうまく直線にならない場合には、仮説が間違っていることになる。一方直線が得られ、仮説が正しいと確認されても、まだ真理の一つにはならず、仮説の反応機構で反応が進行していることを示す中間体なり副反応の有無などを確認する実験が必要になる。
反応中間体や副反応の有無、反応の誘導期間の確認など様々な検証結果が揃えられて有機化学や無機化学の反応が調べられて、反応速度論も体系化されてきた。
1970年代からこのアーレニウスプロットの考え方を高分子の劣化問題にも応用する研究者が現れ、それなりの成果が得られたので、今では耐久試験データを整理するために普通にアーレニウスプロットが用いられたりしているが、ここに大きな落とし穴が存在する。
カテゴリー : 一般
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