2022.05/08 Z世代の知
昨日TVのスイッチを入れたところZ世代はTVドラマを見るときに録画してそれを早送りして鑑賞するのだと説明していた。
特に興味を引くような番組ではなかったので、野球放送に切り替えどのような議論だったのか詳細を見ていない。
しかし、情報化時代に生まれた若者ならそのような鑑賞の仕方もあるのだろう、と思った。当方などは刑事コロンボを内容が分かっていても再放送があれば1時間半丁寧にお付き合いする。
今の若い人にはこの姿がヒマな老人の視聴スタイルと思うかもしれない。さらに、倒叙探偵小説の楽しみ方だ、と説明しても理解されないだろう。
情報化時代の若者は、情報をまずたくさん仕込みそれらを再構成して知を作り上げるスタイルなのだろうと思っている。当方の時代には目の前の現象に対して情報が少なかった時代なので、現象をよく見てそこから知を導くスタイルで身に着けていった。
当方のFDを壊して業務妨害をした犯人は受験勉強を一生懸命行い、そのスタイルのまま研究者に育った人のようで、他人のデータをまとめて否定証明の科学論文を書くことはできても創造的な仕事のできない人だった。
当方の世代にはこのような科学の形式知で固まった知識労働者と現場現物主義で目の前の現象から知を紡ぎながら努力していた知識労働者が混在していた。
今のように大量の情報が存在しない時代だったので、科学の形式知だけ振り回していても尊敬された。しかしトランスサイエンスが認知された時代では、科学の形式知だけで考えているような人は軽薄にみられる。
また、目の前の現象に対して自分で情報を入手しなくてもWEBに情報が溢れているような時代である。アウトソーシングがもてはやされ、自前で知を取りだす努力をしなくても「知もどき」を手に入れることができる。
「知もどき」でもトランスサイエンスの時代には答えを導き出せてしまう偶然もあり、データサイエンスがもてはやされる。これ以上書くとボヤキのようになるのでやめるが、Z世代の知の獲得の仕方で新たな知が創造されることを期待をしたい。
カテゴリー : 一般
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