2022.06/24 環境問題
2015年に海洋ゴミ問題がクローズアップされてから、「脱プラスチック」が合言葉となった。しかし、材料の一専門家の立場から脱プラスチックは不可能であることを申し上げたい。
正しい問題は、プラスチックごみを海などの自然に放置しないようにするにはどうしたらよいのか、である。日本の環境省は、3Rにつぐ4Rとして環境問題を扱っている書籍に書かれた「Refuse」ではなく「Renewable」をこの4月施行された法律とともに提案している。
リサイクルについては、「水平リサイクル」が今後力を入れるように企業へ求められる可能性があるが、問題は、2000年前後から施行されてきた法律との整合性である。
実は、ゴミ問題についてこの4月施行された法律の目指している方向は家電リサイクル法に近い。しかし、家電リサイクル法は業界団体の反対にあい、白物4家電に絞られた背景がある。
その結果、家電リサイクル法以外の各種リサイクル法は自治体への負担を強いてきた。しかし、この4月施行された法律では、水平リサイクルを実施した場合の企業への優遇措置がやんわりと記述されている。
すなわちこれまでのリサイクル法と少し方向が変わってきたのである。今後環境関連で立法化される法律ではグローバル標準である企業の責任を問うような内容になる可能性がある。
これにいち早く対応したのがトヨタである。これまでのメーカーの販売システムを見直し、「モノを売らないメーカー」を掲げ、モノを売らないからゴミを社会に出さない、と意思表示している。
また、このコンセプトを環境問題に対応する戦略だけでなく、企業全体の戦略として組み上げられている点がすごいのだ。そもそも環境問題は、企業活動の戦略の中に組み入れられない限り、コストアップにつながる可能性が高い。
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カテゴリー : 一般
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