2022.07/18 疎水性物質のO/W型コロイド
例えばヘキサフェノキシホスファゼンのような疎水性物質を水に分散したい場合にどうしたらよいか。昔からこのような場合にはオイル分散技術が使用されてきた。
オイル分散技術とは疎水性物質をオイルに溶解し、その状態でコロイドとする技術である。必要に応じてオイルをオートクレーブ中で取り除くのだが、100%取り除くことはできない。
ゆえに環境問題について厳しくなった時代に、このオイル分散技術では、残った微量のオイルの処理が問題となる。疎水性の高分子もこの方法でコロイドを製造することができるので便利な技術であるが、今の時代に合ったオイルを用いない技術が求められている。
分子の一部に親水基を持っていると、低分子でも高分子でも何とかO/W型コロイドにできるが、全く親水基を持たない物質の場合には、これまで技術手段は無かったが、5年前皮革の難燃化技術開発でホスファゼンの水分散コロイドが必要になり技術開発した。
この技術を用いると、水系コーティング液の開発も可能となる。また、皮革の難燃化技術開発で気がついたのだが、疎水性繊維の内部に物質輸送する技術の開発も可能となる。
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