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2022.07/27 花王のパソコン革命(4)

表題の書籍は、ゴム会社の研究所で江戸時代の黒船のごとき扱いだった。会社付近の書店では品切れ状態であり、それが原因で各課1冊会社で購入するまでになった。


40年以上前、8ビットマイコンがビジネスを現代のように変革する、という画期的な本が出版されたのだが、同時にコンピューターに対する多くの誤解を生みだした。今から思えばコメディーのようなことがビジネスの現場で常態化している。


ところで、AIがそのようなことを引き起こしていないか。AIならば何でもできる、という誤解があるような印象を受けたので45年前の体験を書き始めたのだが、AIでさえもプログラムで動いていることを忘れてはいけない。そして最適な学習をさせなければ使い物になるAIなど手に入らないのだ。


AIを導入して他社との差別化を図り業界をリードする、などと目標を設定してもAIを鍛えるデータを準備できる技術基盤が無ければ、AI導入のための予算は、コンサル会社に寄付をするようなものだ。


弊社もコンサルティングを行っているが、このAIに限らず、誠実真摯をモットーにしているので、顧客にとって最適なサービス提供を心掛け、表題の本の内容のような仕事をしない。


図書室の図書管理を漢字出力のできないPC8001でできるようなことを書いていても、実態は出入り口に置かれたノートに記載して管理していたのである。安い書籍ならば啓蒙目的のために書いたという弁解もできるかもしれないが、身分不相応なAIを売りつけたのでは詐欺に近い。


企業がAIを導入したいならば、まずデータサイエンスについて全社で学ぶべきである。45年以上前からその時代に応じて企業の一部の研究者により研究開発されてきた分野で、ようやくアカデミアにもその講座が作られるようになった。


MZ80Kを購入し、給与の大半が無くなったために独身寮以外の生活ができなくなった時、思索をめぐらしたのはデータサイエンスである。データを強く意識すると、科学とは異なる世界が見えてきた(注)。


8月22日に技術情報協会で45年前から今日まで、データサイエンスで出した成果事例のセミナーを行う。AIや機械学習との関係も解説するので多数の参加を期待します。弊社へお申込みいただければ割引価格とさせていただきますが、価格についてはお問い合わせください。


(注)データサイエンスの可能性については、混練の神様のような方から教えていただいた。マイコンのことなど無知な上司のパワハラに二人で耐えながら、研究所の管理職でありながら、なぜあのような考えになるのか悩み議論した日々だった。頭が悪く不勉強な上司と言ってしまえば一つの説明となるのだが、ゴム分野では先端の成果を出している会社の研究所管理職である。昇進を可能とさせた「能力」があるはずで、うまくコミュニケーションをとるために、その「能力」が何かという議論までしている。詳細は省略するが、そして「真」か「偽」か二値化された思考と楽観的な帰納的論理が原因という結論にたどり着いている。運が良ければ帰納的論理で仕事は進み成果が出る。ダメなときには否定証明をすれば評価されたのが科学こそ命の研究所である。ここにたどり着いてから、リーダーとのコミュニケーションは円滑に進み、120万円でソード社のコンピューターシステムを揃え、薬品管理ソフトを開発できた。このシステムは年に2回あった消防署の査察で誰もが認める成果を出した。研究所に存在する薬品の在庫を一瞬に示すことができた。しかしその裏ではデータベースを管理している当方の努力があり、当方が無機材質研究所へ留学するときに、後任に業務説明したところ、後任は昔ながらのノートによる管理に変更している。後任は、16ビットコンピューターが普及し始めたことを理由に、コンピューターシステムの変更が必要だと言い出した。そしてシステム変更に1000万円の予算が必要なことと、このシステムで成果が出ているのは消防の査察だけという論理展開を研究開発本部長にしている。費用対効果を考えれば、コンピューターによる薬品管理をノートによる管理に変更するのは当然だった。後任は科学的論理を展開し、研究成果の費用対効果を重視する方針の本部長をうまく活用し、データベース管理という厄介な仕事を廃止したのである。見事と言いたいが、そもそも薬品管理をコンピューターで始めた悲劇の歴史を知らない。また当方はそれを説明する気持ちになれなかった。パワハラ上司を説得できる術を持っていなかった無能さをサブリーダーと確認していたからである。「上司の認識を変えることができなければ、その説明は無駄である」とは、このサブリーダーの名言である。また、「異なる見解こそ重視せよ」とは、故ドラッカーの名言である。管理者は、自分とは異なる見解こそ重視し理解に努めなければいけない。

カテゴリー : 一般

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