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2022.08/16 情報化時代の技術開発(11)

データマイニングとは大量のデータを統計学や人工知能を駆使して新たな知を取り出すことで、まさに情報化時代の知の獲得方法だが、新しい方法でもなく、多変量解析が登場した40年以上前から行われてきた手法である。


ただ、科学の方法が過信されていた時代でもあり、IBMの大型コンピューターにサービスパッケージとして多変量解析プログラムが存在しても理系の利用者は少なく、人文科学系の研究者が多く使っていたようだ。


電気粘性流体の耐久性問題をデータマイニングで解決し、さらに画期的な傾斜組成の粉体を同様の方法で開発したとたんにデータFDをいたずらされる事件が起き始めた。


犯人は科学的ではないという理由で実験の妨害をしてきたのである(注1)。ドストエフスキーの世界ではあるまいが、アンチ科学と見なされて迫害されたような状態となった。


データマイニングによる問題解決手法は、科学こそ命と考えている人には許されない思考方法かもしれない。また思考方法が科学と異なる魅力があるゆえにマテリアルインフォマティクスでは、その手法(注2)に注目が集まり、本来の新しい技術を生み出す目標実現の事例発表が少ない。


当方は、新しいアイデアを練る手法の一つとしてデータサイエンスに注目してきた。シミュレーションもデータを大量に得たい時には重要な技法となり、これでいくつかの材料開発を成功させている。


データサイエンスだけが当方のアイデア創出法ではないが、来月サービスプログラムとして、当方の実践してきたデータサイエンスの手法を公開したい。手始めに日曜プログラマーとして腕を磨いてきたプログラミングに関するセミナーを準備し始めた。今週中にセミナー募集を行います。


(注1)犯人に謝罪をもとめたが、謝罪どころか開発手法を非難された。また本部長は事件を隠蔽化すると言われたので転職以外に道は無くなった。社内ベンチャーとして起業した高純度SiC半導体治工具事業について住友金属工業との共同出願も完了していたので一区切りついた時期でもあった。研究開発本部のリーダーも含めてデータマイニグによる問題解決手法を非科学として嫌っていた時代があった。

(注2)手法の研究は科学的に進めることが可能である。ただし、その手法で問題解決した場合には厳密な意味で科学ではない。しかし、科学と非科学の境界は時代により変化すると言われている。30年前はその手法による開発を妨害するような人が支持された時代だが今は実体の成果が出なくても手法研究がもてはやされる時代になった。

カテゴリー : 一般

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