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2022.08/18 日本の強み

急激な円安が進行し、70%前後の企業が苦しんでいるという。コロナ禍でも無ければ観光産業が潤うはずだが、1日の感染者数が世界一では外国人の来日を期待できない。


かつての高度経済成長期には「Japan as No.1」と騒がれ、原材料を加工して付加価値をつけて輸出するのが日本の強みとされた。しかし、世界の工場と言われた中国へ日本企業の多くは進出し日本は空洞化した。


日本の変遷をここで論じるつもりはないが、明治時代から高度経済成長に至った時代に「勤勉さ」が日本の強みとよく言われたことを考えてみたい。


ワークライフバランスという言葉に踊らされて、まず勤労の見直しが進んだ。派遣労働というスタイルがそれを加速したことも無視できない。最近は同一労働同一賃金が叫ばれ、正規採用の給料みなおしが進んでいる。


賃金の見直しについて高くなることを期待していたら、実質賃金が低下して驚いている正規社員が多いのではないか。韓国よりも給与水準が下がった、などという記事も出てきた。


枝葉の考察を進めてみても問題解決につながらないのは、「問題」というものの特徴であり、本当の問題を真剣に考えなければいけない。


日本の本当の問題は、意外にも単純であり、世界に誇れる強みが無くなった可能性がある。この強みについて、かつて「日本人の勤勉性」があげられている。


高度経済成長の時の日本人は勤勉だったが、今の日本人は勤勉でなくなったのか。これには疑問符をつける必要が無いのかもしれない。アメリカを真似したワークライフバランスを進めた時点で、日本人の強みと思われていた勤勉を否定したのである。


生産性を高めて人生を豊かに、という霊感商法のようなフレーズに日本全体が洗脳されたのである。生産性を高めても生産物を世界が買ってくれなければ、日本人は豊かになれない。


世界が買ってくれる生産物は「安くて高品質」か「高付加価値」製品となる。円安の進行について、日米の経済政策の違いが指摘されている。しかし、世界は日本に安くて高品質の製品を期待しているのではないか。


中国や韓国から日本の労働力を当てにして工場進出する企業が出てきた。日本からアジアへ工場が出てゆき、空洞化してから20年以上経ったのだ。


日本企業もIT技術を駆使して安くて高品質の製品を生産できる工場建設を国内で進めることが強みになるのかもしれない。そもそも日本人の勤勉さは現場のQCサークルに見られるように生産現場があって実現されたのだ。


ところが、半導体工場建設で話題になったのは、「技術者の不在」である。その結果日本がお金を出して外国企業に建設させるという誤った政策決定が行われた。これで強みが育つのだろうか。


半導体について日本にはまだ周辺技術で世界と競争している企業が存在している。このような企業を集結して「世界一の半導体工場を建設する」という発想にならないところが日本の問題かもしれない。弊社に相談されていたならば成功可能な秘策を提案している。

カテゴリー : 一般

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