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2022.11/07 データ駆動によるリサイクル樹脂開発

データ駆動による配合設計事例として、回収PETボトルから得た再生PETを80%含有する易射出成型性多成分ポリマーアロイの事例を紹介する。


 2022年4月に法律が施行されて再生樹脂のブームである。PETは溶融状態から冷却すると急速に結晶化するので射出成形が難しく、押出成形やブロー成型の用途で使われてきた。


PETボトルのリサイクル分野として、射出成形の用途開発が期待されている。ところが射出成形用途で使用するためには、PETの急激に変化する温度-粘度曲線をPCのような緩やかな曲線となるように溶融粘度を改質する必要がある。


溶融粘度の改質技術以外に再生樹脂の新たな変性技術を開発する目的で、多数の廃材ポリマーを混ぜて粘度調整する実験について仮説を設定せずに計画した。


曲げ強度と衝撃強度、弾性率を同じスケールの縦軸でプロットするために、弾性率について線形性を保てるように100で除して10を引いた値へ数値変換する。


 衝撃強度は、線形破壊力学によれば密度1.2から1.3g/cm3の範囲で一定となるはずだが、実験を行うと大きくばらついている。その結果、曲げ強度は、弾性率と似た相関のある群とそれよりも密度依存性の大きい相関を示す群とに分かれた。


PETの含有率は80%と一定の配合率で実験を行っているが、残り20%へ配合されたポリマーは様々な廃棄樹脂である。このような群に分かれるのは、配合因子だけでは説明がつかない。


電子顕微鏡観察を行ったところ、強度の高い群では強度の低い群よりも微細な構造となっていた。一定の射出成形条件で実験を行った群から、密度と強度の高いサンプルを一種類選び、配合因子以外に混練プロセスから射出成形プロセスまでの制御因子を用いてTMによる最適化実験を行っている。


その実験によりカオス混合プロセスを用いる条件が選択されて、UL94-V2に合格するABS同等の物性で射出成型性も良好となり、ロバストの高い高品質の樹脂配合が得られた。 

このように経験知や形式知に基づく公知の関係を利用して、その関係から外れる新規物質を探索することが可能である。

MI手法が話題となっているが、データ駆動の手法で新たな知を探索するためにAIを利用することが唯一の方法ではない。このような経験知や形式知で見出されている関係を利用して実験を進める方法や、多変量解析でデータを整理する方法も存在する。


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