2022.11/15 高純度SiCとデータサイエンス(4)
ホウ酸エステルとリン酸エステル併用系の難燃性ポリウレタン発泡体の研究開発では、次の様な実験計画法も行っている。
すなわち、ラテン方格の外側に配置する数値として、LOIを用いるのではなく、難燃剤の添加量を変化させたときのLOI変化で計算される相関係数を配置して実験を行っている。
ここで、誤差因子を調合して配置すれば、タグチメソッドを感度で行っているような実験となる。これは故田口先生の解説である。当時先生のことを存じ上げなかったが、写真会社へ転職してタグチメソッドの推進委員を担当した時に3年間先生から直接ご指導を頂いた。
その時にこの話をして先生から褒めていただいた時のコメントである。このような実験を行った背景は、ラテン方格で決められた水準のLOIをそのまま用いる教科書通りの実験計画法を行っていた時に、最適条件の外れることがあったからだ。
相関係数をラテン方格の外側に配置したところ、制御因子の結果がうまく合うようになった。そもそもタグチメソッドではラテン方格を実験の計画立案のためだけに利用しており、それでSN比の変動を計算するためではないのだ。
すなわち、すべての実験について一部実施を確率的に均等とするためにラテン方格を使用している。統計手法の教科書に記載された実験計画法でラテン方格を使用する時には、ラテン方格の繰り返し効果が実験の誤差を計算するために利用されている。
当方は、ラテン方格を「ただ、実験計画を立てるためだけに利用する方法は無いのか」という問題意識から、ラテン方格の外側に相関係数を用いる手法を発明した。
すなわち、タグチメソッドでラテン方格を用いるのは、すべての制御因子の条件の組み合わせから、均等に一部抽出するためである。誤差変動に相当するSN比は、ラテン方格の外側に配置した誤差因子と信号因子から求めている。
カテゴリー : 一般
pagetop