2022.12/06 科学的実験(1)
科学では仮説設定して、それが真であるかどうかを確認するために実験を行う。論理学が完成して、科学が誕生したのだが、このような実験スタイルで帰納的に導かれた真理の体系が現在の科学の成果である。
ところで論理学が完成した時に探偵小説も誕生している。シャーロックホームズは、最初に登場した有名な探偵であるが、事件が起きると、彼はべーカー街でワトソンとともに仮説を練る。それにより読者も犯人を推定し、ホームズとともに事件解決を試みる。
ところが、現場の状況が仮説と矛盾すると、改めてべーカー街に戻り、酒を飲みながらワトソンと仮説について議論する。読者は現場の記述と仮説展開を楽しみながら小説を読み進む。
主人公と一緒に仮説を練りながら事件解決を楽しむ、これが探偵小説のだいご味だ。小説の1ページ目に犯人の名前を書くいたずらは、神田を舞台にした新作落語のネタになっている。
最初に答えが分かってしまったら探偵小説を楽しめないからこのいたずらを笑えるのだ。ところが20世紀、刑事コロンボが現れてこの探偵小説の常識をひっくり返した(続く)。
カテゴリー : 一般
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