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2022.12/08 科学的実験(3)

刑事コロンボから犯人が得た情報により、犯人はそれに対応した行動ををとり、それが原因で事件解決へ向かうので、データ駆動の犯人逮捕劇だと思っている。


シャーロックホームズは常に仮説を設定し、その仮説の正しさを確認しながら帰納的に事件解決へ向かうのに対し、刑事コロンボの事件解決方法は、演繹法的といえるかもしれない。


しかし、刑事コロンボのいくつかの事件では、おとり捜査が使われたりしている。ヒューリスティックな解を得たコロンボは、その正しさを一気に確認するためにおとりを使うのである。


もし、刑事コロンボと名探偵ホームズとが事件解決の競争を行ったら、刑事コロンボに軍配が上がると思われる。彼は事件解決までに90分以上かからないのだ。名探偵ホームズのシリーズの中には読み終えるのに1週間かかる長編も存在する。


これはそのまま技術開発の実験方法にも当てはまる。科学的実験は、時間がかかるのだ。しかし、非科学的実験方法では短時間に新しい技術が誕生する体験が多かった。


実例はiPS細胞のヤマナカファクター発見のための実験方法がそれである。4種の遺伝子の組み合わせをあみだくじ方式で簡単に見出している。


これを科学的に実験を行っていたら、山中博士の言葉を借りれば「生きている間にiPS細胞を作れるかどうかわからなかった」。これはノーベル賞受賞時のNHKのインタビューに答えたときの言葉である。


当方の体験談で示せば、高偏差値の大学の博士や修士が1年かけて否定証明した電気粘性流体の耐久性問題をデータサイエンスにより一晩で解決している。これは特許も出願され技術として実用化された。


アカデミアさえもマテリアルインフォマティクスという技術の研究を行っている時代である。そろそろ科学の方法にこだわった研究開発を見直す時代である。

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