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2022.12/23 高分子の難燃性(7)

高分子材料に対するリン(P)の難燃効果は、他の元素に比較して線形性が高く、添加量を増加させればLOIの値は、上昇する。


空気のLOIは、21であり、ゆえにこの値が21未満の高分子材料は空気中で燃焼し続ける。しかし、ローソクの炎程度の火炎による燃焼では、この値が21以上の高分子材料は自己消火性となる。


難燃剤無添加でもLOIが21以上であり、空気中で自己消火性を示す高分子材料には、ザイロン、PPS、プロセス制御されたフェノール樹脂、分子設計されプロセス制御されたPIなどがある。


フェノール樹脂で「プロセス制御された」と接頭辞をつけたのは、不適切なプロセスを選択するとLOIが21未満となるフェノール樹脂が合成される場合があるからだ。


同様に、PIでは適切な分子設計まで行わなければLOIが21以上のPIを製造することができない。困るのは、総説などでこれらの高分子のLOIについて注釈が無く21以上のLOIを示す、と書かれていたりすることだ。


フェノール樹脂天井材の開発を行ったときに、同一ロットのレジン原料でLOIが大きくばらついてびっくりした。さらにそのばらつきは製造条件により変動する。当時タグチメソッドなど知られていなかったので、当方は外側因子に信号因子としてLOIを割付け、実験計画法を行い、最適化している。


すなわち、データ駆動で安定したLOIが21以上となるフェノール樹脂を製造したのだが、LOIを信号因子として割付けず、実験値として用いた場合には、ロバストの再現実験を行っても再現しなかった。


タグチメソッドが実験計画法ではないことが知られているが、実験計画法よりもタグチメソッドのロバスト再現性が高いのは、誤差因子を外側に割付け、ラテン方格を用いたときにラテン方格が誤差変動へ与える影響を少なくしているためだ。


このことから、タグチメソッドを成功させるためには、可能な限り誤差変動に大きな影響を与える因子をすべて網羅し、調合誤差として用いる。

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