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2022.12/25 能力の限界とコーチング

昨日惜しくも女子フィギュア界でトリプルアクセルと4回転の連続技の成功を見ることはできなかったが、中井亜美選手がトリプルアクセル二回成功など浅田真央選手以降女子選手のジャンプ力が男子並みのレベルになったことを知った。


一方全日本を二連覇した坂本香織選手は、トリプルアクセルを回避する演技に徹し、3回転ジャンプの連続技構成で高得点を狙うプログラムで成功している。


彼女の同世代樋口新葉選手は、坂本選手はじめ4回転を武器とするロシア勢と対抗するためトリプルアクセルを演技に取り入れるようになったが、今シーズン途中で疲労骨折が分かり、休養中である。


休養と言えば、同じくプログラムにトリプルアクセルを取り入れて注目を浴びた紀平梨花選手は、2年近くの休養から初めて姿を見せ昨日演技したが、右足首の痛みの残る中3回転までのジャンプで精彩を欠き、11位に沈んだ。


かつてトリプルアクセルで世界の注目を集めた浅田真央選手は、足のけがのため選手継続をするかどうか悩み、数多くの伝説を残し結局26歳で復活することなく引退している。


女子選手の足のケガが続く状況から3回転以上のジャンプは、現在の女子選手にとって過酷なのかもしれない。かつてフィギュア界の帝王プルシェンコ氏は、男子の4回転時代の到来の時に、それを彼が扉を開いたにもかかわらず、フィギュアスケートはジャンプの回転数を争う競技ではない、と言っている。


日本の坂本選手や三原選手は、彼の言葉を具現化し活躍しているのだが、肉体の限界に挑戦をし続けるスポーツ選手の姿も残酷であるが楽しみなのがファンである。


かつて浅田選手とキムヨナ選手とのライバル戦は、3回転以上に挑戦するスタイルと3回転までに徹し完璧を目指すスタイルの戦いだった。この好組み合わせに対し、「浅田選手は大事なところでころぶ」と意味不明の非難をした日本の元総理はスポーツというものを理解していない。


スポーツ選手には、勝つことだけでなく肉体の限界を目指すスタイルもあるのだ。その限界に挑戦するときにコーチングが重要であることを宇野選手は見せてくれた。


2019年から20年のシーズンは、小さいころから指導を受けていた樋口コーチから離れ、しばらくコーチ不在の状況になった。この時の宇野選手の演技にはミスが目立ち、表彰台に乗ることができなくなった。


何故樋口コーチと別れることになったのか知らないが、まさか本田真凛選手との交際が原因ではないだろう。ステファン・ランビエールコーチに落ち着いてから、演技のロバストが高まり,より進化を遂げたように思われる。


週刊誌も彼を称える記事を載せても興味本位のゴシップネタを書かない。彼の限界に挑戦する誠実で真摯な姿を見れば、称える以外の言葉など書けない。ちなみに、メダルの数は羽生選手よりも多いことを女性ファンは知っておくべきである。


かつてシルバーコレクターとして有名だったが、二番でもいいのではないか、といった女性国会議員もいるにもかかわらず、トップへの挑戦を続けているのだ。そして、それを支えているのがあの選手としても有名だったステファン・ランビエールコーチなのだ。


マネジメントにおけるコーチングスキルの重要性は指摘されているが、部下の能力を限界まで引き出すコーチングの視点を読んだことが無い。パワハラによる自殺に社会の関心が集まるきっかけとなった風祭氏が亡くなって7年がたった。


命より大切な仕事は無い、という談話を母親が発表されたが、事件が起きてからも電通の上司側の談話は無い。新入社員の指導過程における事件であり、やはり社会は真相を知りたかったはずだ。

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