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2022.12/31 楽しんで働こう

高分子の難燃性について体験談を書くとパワハラ上司の思い出話となる。パワハラだけでなく無責任で部下が全員この課を出たい、とコミュニケーションカードに書かれるような上司だった。また、部下を消耗品のごとく公私混同して扱うような上司だった。


このような上司が出世する研究所で12年間働いたが、最後は机の上にナイフが置かれたり、会議前になるとFDを壊されるなど犯罪と呼んでも良いような事件が連続し、それでも配属されてから3人目の本部長から我慢しろと言われた。しかし、命が惜しかったので転職している。


当方が自殺をする気が無くても、実験時の大事故によるケガあるいは殺される可能性を感じ、いくら楽しんで仕事をしていても会社に迷惑をかける。そんな気配も感じられた職場だった。


最近パワハラ自殺が話題になったりしているが、社長でもない限り従業員が自殺を考える必要はない。日本では生活保護などセーフティーネットが充実しているので、死ぬくらいなら社会保障をうまく使い、生き延びることだ。


生きて努力をすれば何とかなる。当方は高純度SiCの半導体治工具の事業を住友金属工業とのJVとして立ち上げ、その仕事で全く報われぬまま転職を選んでいるが、やはり命が惜しかったからである。


運よく写真会社から高分子技術の研究管理者として中途入社(注)のお話を頂き、セラミックスのキャリアを捨て、リスキリングする覚悟で転職している。


日本を代表する企業、トヨタでもパワハラ自殺があり、社長がすぐに謝罪したのでそれが異例だとニュースになった。トヨタのような皆が憧れる社長が経営する優良企業でも起きるのだ。おそらく大なり小なり日本の会社ではこのような問題が日常となっている職場が多いのかもしれない。


従業員にとって、会社の印象は直属の上司のイメージで決まる。職場の風土も同様で、社外がパラダイスと従業員が感じるような職場の管理者は失格である。ヤミ研が認められていたのが唯一の救いだった。残業代さえ申請しなければ研究を楽しめたのだ。部下のアイデアに頼るしかない上司だったので自由に仕事ができた。


高分子の難燃化研究を担当していた時の上司は小心者で、パワハラの日常でも当方の元気が勝っていた。理不尽な始末書を書け、という命令にもホウ酸エステル変性ウレタンフォームの企画を添付して提出している。


ただし、後日始末書だけが人事部に提出されたと風の便りとして聞いて騙された、と思ったが、この企画を推進しながら実験を楽しみ、馬鹿にされながらもデータサイエンスの可能性を検討し、半年後には工場試作を成功させた。入社して二つ目の実用化できた研究成果となった。


この研究所の12年間をどのように表現したら世間に伝わるのか不明だが、12年間勤務して死を覚悟しなければいけないような職場風土でも、夢を持ち自由に楽しく働くことができたことを申し上げたい。


職場風土がそのようであっても、会社を離れれば天国だった。同僚や友人との余暇の楽しみでは、恐怖の上司が酒の肴であり笑い話のネタになる。社長以外は会社に命をかける必要などないのだ。


どれだけの社長が会社に命をかけているのか知らないが、雇用される側は、仕事を楽しむ工夫をすべきである。ライフワークバランスがブームとなったが、エンジョイワークが大切である。


どのようにすれば仕事を楽しめるのか、30年以上楽しみ仕事をした体験とその工夫を来年はセミナーのネタにしたいと思っています。新聞に載るような大事件の起きた会社の恐怖の職場でも楽しんで研究を進め、30年以上も続く新事業を基盤技術0の会社で起業することができました!


良い年をお迎えください!


(注)転職して分かったのだが、日本の会社は、まだ転職者には不利なシステムである。例えば、年金額は、ゴム会社に我慢して勤続していた方がはるかに多かっただろうと思う。12年間勤務したのでゴム会社から企業年金を頂いているが、写真会社にはそれが無い。また、転職時に年収は上がったが、年金のランクは1ランク低かった。年金のランクは基本給で決まる仕組みのため、ゴム会社の基本給よりも写真会社の基本給が低かったからである。このような話は転職時に気がつかない。転職時、直属の上司はじめ多くの人は引き留めてくれた。しかし、職場の問題解決には誰も尽力してくれなかったのである。ドラッカーは誠実真摯な人物をリーダーにせよと言っている。不誠実な人物では人材に逃げられるのだ。リーダーの不誠実さを示すいくつかの証拠を大切に保管しているが、ドラッカーが当たり前とも思える「誠実さ」をしつこく繰り返している理由は、ゴーンはじめ誠実なリーダーが少ないためだろう。

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