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2023.04/07 e-Power

日産自動車のe-PowerをナンチャッテEV車と3月31日に書いたが、このアイデアは技術的発想として尊敬している。何年か前にも書いているが、この方式は1980年代にエネルギー保存則から自動車用動力として否定されている(モーターショーにおけるハイブリッド方式の説明より)。


エネルギー保存則から、エンジンを用いた発電エネルギーでモーターを回し動力とする方式を使うくらいならエンジンを直接動力源として使用したほうが効率が良いことは自明である。


同様の理由で、水素燃料電池による電動車は、水素エンジン車よりも燃費が良い。水素の場合にはさらに効率の差が開くと言われている。すなわち水素エンジン車は燃費が悪いので一時検討されたが燃料電池車が開発されるようになって実用化された経緯がある。


1980年代にトヨタはe-Power方式ではなくハイブリッド方式で開発を進め、20世紀に間に合いました、といってプリウスを登場させた。


その後ホンダが同様のハイブリッド車を販売した時に、老人と少年が汗をかきながらタンデム自転車を運転している比較広告を展開している。


しかし、e-Powerとトヨタのハイブリッド方式との燃費差は小さい。高速道路を走ると大きな差が出ると言われているが、オーラで走った感覚では、十分満足できる燃費である。


これは、日産自動車の技術開発の賜物であるが、科学的に考えられたハイブリッド車よりも技術的に設計されたe-Powerの方がコストが下がる可能性が高い。なぜならエンジンを安く製造できるからだ。


例えば、エクストレイルの新車にもe-Powerが搭載されたが、エンジンは1500ccでありながら、3000cc級以上の走行性能である。しかも多気筒エンジンよりもなめらかな走りである。


ゆえに体感上の動力のコストダウンとなるが、驚くことに、日産自動車では、さらにコストダウンを進め、エンジン車並みの価格とする方向で開発を進めているという。


エネルギー保存則からは否定される方式でありながら、技術開発を進め、商品パッケージとしてうまくまとめてゆく日産自動車の姿勢はもう少し注目されても良いように思う。「技術のニッサン」は伊達じゃない。

カテゴリー : 一般

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