2023.05/12 リスキリングに重要なこと
リスキリングで重要になってくるのは、「技術の方法」に対する理解である。すなわち、技術というものをどのように認識するのか、ということだ。
これが日本の経営者あるいは企業幹部の多くは科学を中心に捉えており、技術は職人のものと勘違いしている。ゴム会社で当方の上司となった人の大半はこのような考え方だった。
科学と非科学の境界は時代により変わると言ったのは哲学者イムレラカトシュであるが、科学で体系づけられた形式知の中に、科学で厳密に証明ができない経験知が紛れ込んでいるためである。
ゆえに科学技術の中に、経験知だけで組み上げられた技術も数多く存在するはずである。このような技術は、残念ながら非科学的な技術となるが、暗黙のうちにこれも科学として認めている、あるいは誤解している人が多い。
すなわち、新技術を生み出しているのは科学者ばかりではない。日本で新技術を生み出せない人を職人と呼んだりして、「大学を卒業しても職人にしかなれない人がいる」と職人を馬鹿にした発言を平然とする経営者もいる。
このような経営者を認めた場合に、非科学の技術を生み出すような人材をどのように呼べばよいのだろうか。日本では、技術者とも科学者とも呼べないのである(注)。
リスキリングの狙いは、職人の養成ではない。職人の養成には職業訓練学校が存在する。日本で新たに進めなければいけないのは、新技術を生み出せる人材を養成するためのリスキリングでなければいけない。そのためには、技術に対する正しい理解が必要だ。
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カテゴリー : 一般
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