2023.06/03 添加剤を高分子に混ぜる
高分子材料が実用化されるためには、用途に応じた最適化が検討される。合成高分子が無かった時代には、飯粒は重要な接着剤だった。紙の接着であれば飯粒が十分な接着剤の役目を果たした。
小学一年か二年生だった時、ボール紙で夏休みの工作として作品を作ることになり市販のノリではなく飯粒で接着した思い出がある。市販のノリを使わなかった理由は、飯粒の接着性に興味があったからである。
今から思えば馬鹿な行為であるが、また、親にもその作業性の悪さを指摘されたりしているが、子供心に飯粒が接着剤として機能することに面白さを感じていたのだろう。
この思い出は悲惨な結果だったので今でも記憶しているのだが、接着部分にカビが生えたのだ。カビを取り除いてもそれが生えていたところは変色していた。
このとき、工作用ノリには防腐剤が添加されていることを学んだのだが、情けないのは大泣きをしたことである。大泣きをした思い出は今でも記憶しているが、その後夏休みの工作がどうなったのか記憶が無い。
そもそも飯粒で紙工作をしようとした発想は、親か兄弟からノリはご飯粒から出来ている、とかいう中途半端な知識を教えられたためで、その時防腐剤が添加されていることを聞かなかった。
そのような経験があり、怪しい新しい知識を百科事典で調べるようになった。当時インターネットなど無く家庭用百科事典ブームであり、子供のいる多くの家庭には1セット百科事典があった。
当方の家庭にあった百科事典には、料理について食材を混ぜる方法の説明はあったが、ノリに防腐剤をどのように混ぜているのか記述されていなかった記憶がある。
母親から大量に混ぜるので機械を使っているとの説明を受けたが、どのような機械なのかは企業秘密だ、と教えられた。当時母親の答えには企業秘密が多く、世の中は秘密ばかりと不思議に思っていた。
しかし、添加剤を高分子に混ぜる技術には今でも企業秘密にすべき内容がある。このような技術に遭遇された方は弊社にご相談ください。高分子に添加剤を混ぜる方法について、今でも技術の差が生まれる分野である。同一配合でも機能に大きな差が現れる不思議な現象は、この混ぜる技術が関係している。
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