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2023.06/04 高分子材料の価格

原材料の価格には、用途に応じて相場がある。社会人になった時にこの相場の価格を知る重要性を学んだ。ホスファゼン変性ポリウレタンの工場試作に成功し、始末書を書いたためである。


世界初でこれまで世の中に無かったような技術を提案してほしい、と上司から指示を受けてホスファゼン変性技術の提案をして半年で工場試作まで実現したのだが、ゴールを達成しても始末書である。


その始末書で提案したのが、燃焼時のエネルギーでガラスを生成して難燃化する技術である。既存の1kgが1000円未満の安いリン酸エステル系難燃剤を使用してもホスファゼン並みの難燃効果が得られた技術は、大変コストパフォーマンスが優れていた。


この技術はすぐに実用化されたのだが、ホウ酸の環境負荷が指摘されその後廃版となった。難燃剤システムの価格としてみると1kg300円以下であり、大変安い技術だった。


高分子材料の価格は、原料とプロセスが決まれば、おおよその価格が見えてくる。そして市場ニーズとの関係でその価格が決まるのだが、セラミックスのようなブラックボックスではない。


セラミックスの中には、運送費が大半を占めている材料も存在する。その成形体にとんでもない価格がつく場合もあり、高分子材料やその製品に比較し、原材料の相場が見えにくい。


セラミックスの調査を始めたときに苦労したのは、この相場勘を身に着けていなかっただけでなく、公開された価格からテーマの事業性の判断が難しかったからである。それに比較して高分子材料は分かり易い。

カテゴリー : 一般

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