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2023.07/03 TMアレルギー

タグチメソッドを毛嫌いされる技術者は一定数いるようだ。特に科学の方法こそ命と信じている技術者に多い。そのような技術者は科学の方法についてよく勉強してほしい。


バブル崩壊前の日本で科学論が盛んに議論されている。この時に科学専門のコンサルタントだけでなく怪しいサイエンスライターが登場している。


当時アメリカでも環境問題がきっかけとなり科学論が盛んであったが、日本のそれはJapan as No.1がベストセラーとなったようにバラ色の未来を約束する方法として議論されている。


この違いがバブル崩壊後の科学論の行方に影響を与えている。アメリカではトランスサイエンスが叫ばれたが、日本ではバブル崩壊で科学論そのものも空中分解し、多数のサイエンスライターが職を探すありさまとなった。


その後このサイエンスライター達は環境問題に飛びつき、海洋問題が世界のトレンドとなるや否や、脱プラスチックスなどという科学的に不可能なことを言い始めた。


昨年再生プラを基本方針とした法律が施行されるようになって脱プラスチックの声は沈静化したが、日本のサイエンスライターのその思想の貧困さに呆れている。


さて、アメリカでトランスサイエンスが叫ばれてから十数年後の日本で大阪大学の先生の著書「トランスサイエンス」が出版されたが、この出版不況のなか、少しは売れたらしい。


日本における科学のこの有様を理解できたならば、科学こそ命などという考え方を改めた方が良い。田口先生は、当方同様のこの日本における科学の状況の被害者かもしれない、と思っている。


田口先生は、タグチメソッドの考え方を日本で広めようとされたが、日本では日本科学技術連盟がそれを拒否したために渡米された。そして1980年代にアメリカでタグチメソッドを普及されデミング賞を受賞された。


そうすると日本も慌てて田口先生を呼び戻され、1990年代に田口先生が日本で活動されるや否や、自動車業界と複写機業界で一気に火がついた。


特に複写機業界では、科学で十分な解明が難しい帯電現象を機能に使っているので、タグチメソッドは不可欠だった。タグチメソッドの推進に活躍されている方がこの業界出身者が多いのもうなづける。


科学の方法の限界に気づかれた方々が、一斉にタグチメソッドに飛びつき広がったのだが、その限界に気がつかない、どちらかと言うと科学の方法の問題を考えようとしない技術者はなかなか科学の方法から卒業できずTMアレルギーとなるようだ。

カテゴリー : 一般

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