2023.07/10 パーコレーション
パーコレーション転移という現象は数学者たちに1950年代から研究されてきた。1970年代にはスタウファーの教科書が発行されている。
日本では小田垣先生が有名で、このコロナ禍において元気な姿をワイドショーで見かけた。すなわち8割おじさんがクラスター理論でシミュレーションをやっていた知の基が1950年代の数学者たちのテーマだった。
このテーマはカリフォルニアの山火事について議論する過程で生まれた、と伝えられている。すなわち植えられた木がクラスターを形成しているから山火事が広がるので密とならないように木を植えればよいというわけだ。
1950年代から知られていた理論にもかかわらず、材料科学の分野で知られるようになったのは1990年代になってからである。40年と言う月日が学問の境界を越えるために必要だった。
それまでパーコレーションの問題について材料科学者たちは、混合則(あるいは複合則)として考察を繰り返してきた。弾性率や線膨張率についてフィラーによる補強効果がこの混合則で議論されてきたのである。
高分子にフィラーを添加する時だけでなくポリマーブレンドで形成されるドメインについてもパーコレーションで議論されている例もある。
カテゴリー : 一般
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