2023.07/14 高分子と火災と評価技術(3)
火災と言う現象と高分子材料について研究するテーマは、どれもトランスサイエンスとなる。しかし、うまくテーマ設定して科学的結論を出せるような雰囲気も感じたりする。
実はこの感覚が、誤った評価技術を生み出したりする。むしろ、トランスサイエンスを前提に評価技術を開発したほうがアウトプットを間違えないと思っている。
このあたりの感覚をお伝えすることも難しいかもしれないが、高分子の難燃化技術は、ほとんどが経験知ぐらいに思っておいた方が研究を進めるときに誤った結論に陥る確率を小さくできる。
例えば極限酸素指数(LOI)はJIS規格が存在し、大抵の材料についてこの規格に準じて測定すればおよそ0.5程度の偏差で再現よく求めることができる。ところが、規格に基づき測定すると測定不能となるケースがある。
この時、科学の姿勢としては測定不能とするのが正しい姿勢である。LOI以外の難燃性評価規格にも測定不能となる規格が存在する。しかし、これでは研究開発を進めることができない。
難燃性高分子の開発では、測定不能であってもその難燃性を何とか数値化したいという場合が多い。難燃性評価規格もそのために作られているのだが、例えばフィルムや発泡体のLOI評価では、多くの場合に測定不能となる。
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