2023.07/16 Lipton Milk Tea
激暑の夏に飲料水は欠かせない。高校生の時は、あのチェリオが流行しており、誰もがクラブ練習後に学校近くの少し汚れた店先のチェリオを飲んでいた。同じ価格でどの飲料水よりも量が多かったからである。
高純度SiCの半導体治工具事業を始めた1983年ごろキリンから午後の紅茶が発売された。紅茶ドリンクの流行が始まった頃だが、その翌年表題のミルクティーが500ml紙パック100円で登場している。
おそらく当時の高校生にはヒットしたのかもしれないが、午後の紅茶の大人の味とは少し異なる方向だった。ミルクティーでありながらさっぱりした味わいは悪くないのだが、また、コスパも良い。
コロナ禍となって森永は突然この銘柄の新製品を出してきた。しかし、新製品を出して1年でまた旧製品に戻したことが話題になっている。
話題になっていたので早速購入して飲んでみたのだが、500ml一気に飲めてしまった。ミルクティーでありながら飲み口がさっぱりしているのだ。昔はこれが安っぽく感じたのだが、夏の暑い日にはこのさっぱり感が合っている。
森永としては売り上げが落ちてきたのでより高級感のある新製品を出してみたところ、特に売り上げ増につながらず、愛飲者から昔の味に戻してほしいというラブレターが多数届き、結局旧製品に戻したという説明がついていた。
そして旧製品に戻したところ売り上げが復活したというので話題になっている。このような現象は市場調査による商品企画の難しさを示しているのだが、ロングライフの製品については多少売り上げが落ちたとしてもその市場動向の判断に注意を要する。
飲料水ではないが、日産フェアレディZの新型がなかなか納車されないという。この件については、EVへという業界の流れの中、モデルチェンジしても売れないだろうという日産社内の判断が働き、生産計画を極めて後ろ向きに設定した、との説明が新車発売時にあった。
ところが予約注文が殺到して現在もその消化のために追われているという。市場ニーズを読み間違え事業機会を逃がしたわけである。
ミルクティーもフェアレディ-Zも歴史のある製品である。このような製品では、隠れたファンの存在をどのように掘り起こすのかという戦術が重要で、長期的な戦略で市場活動を行う必要がある。
カテゴリー : 一般
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