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2023.08/09 重回帰分析と問題解決

統計学の分野で生まれた多変量解析の重回帰分析は、回帰すなわち実験データの欠損値や未知のデータ予測に使われる。


その目的においては、回帰式の信頼性が重要になり、t検定が行われあるいはp値からどの程度の予測精度が得られるのか、これらのパラメーターを基に考察される。


重回帰分析は、このような回帰の目的以外に、従属変数(目的変数)へ独立変数(説明変数)がどの程度の寄与があり、その寄与率を考察することにより、目的変数に影響が大きい説明変数を見出し、目的変数の改善を行ったりする目的で使用される。


この用途では、独立変数が一次独立であるのかどうかが重要になってくる。ゆえにこの一次独立性を確保するために段階式重回帰分析や主成分分析の組み合わせ手法が用いられたりする。


技術開発では、説明変数の素性が分かっているので、段階式重回帰分析を用いるよりも技術の視点から変数を選び、回帰式を組み立てた方が良い。


回帰式の組み立てにおいて、単純に統計手法としてのやり方だけでなく、問題解決の視点からの方法もあることを知ってほしい。


すなわち、問題解決においてデータはあるが、どこから手を着けたらよいのか分からない場合、とりあえず多変量解析を行ってみる、というのは有効な方法であり、そのとき目的が明確ならば重回帰分析となる。


この問題解決の用途で重回帰分析を行う時にp値とかt値を気にする必要はない。なぜならヒントを得る目的なので、係数の統計的信頼性よりも係数から得られる情報を重視するからである。


また、t値やp値はデータ量が多くなると良い値になる傾向がある。すなわちデータ量が多くなるとt検定に合格しやすくなるので、その視点からも重要度が下がる。


むしろ説明変数の一次独立性の方が重要になったりする。説明変数の目的変数に対する寄与を調べたりする時には標準偏回帰係数を用いなければならない。このとき全説明変数の標準偏回帰係数の総和が1からどれだけずれるのかは目安になるのだが、このあたりの説明がなされていない本が多い。


その他に重回帰分析で分類やデータの特徴づけ、すなわち主成分分析の分野で行うような解析もできるが、問題解決法としての説明は、一般の多変量解析の教科書に出てこない。弊社の関連するセミナーだけで解説されるノウハウだ。


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カテゴリー : 一般

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