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2023.09/04 人生はカオスである。

ゴム会社に入社したきっかけは、オイルショックの影響で就職氷河期だったこと、車に関心があったこと、たまたま合格通知が他の企業よりも早く来たことなどの要因が重なっている。


それでも入社前送られてきた創業者の伝記を読み、啓発されて高純度SiCの半導体治工具事業を起業しサラリーマンとしては12年間勤務したゴム会社に多大な貢献をしたと思っている。


しかも、この仕事を成功させるまでに十分な残業代が支払われていないばかりか、出張費など持ち出しも多かった。さらにこの仕事の前に担当していた高分子の難燃化技術では、天井材や寝具などの成果を出しているが、過重労働の毎日だった。


これらの技術企画は当方でなければ立案出来ないと言える個性豊かな企画と言われている。これらの企画の前に担当した業務が、研究所に配属された最初の仕事となる。


それは、ゴム会社に勤務した経歴として分かりやすい、樹脂補強ゴムの開発である。3か月という短期間であったが、バンバリーとロール混練の実技を身に着けるには十分な作業量と、スキルと高度な専門知識を学ぶこともできた。


レオロジーの専門家であり、実技のスキルも高かった指導社員のおかげで、1年間の予定のゴールを3か月で実現でき、混練のスキルを研究所で最も高いレベルと転職前に言われるほどの濃厚な毎日だった。


この時ご指導いただいた知識とスキルのおかげで、写真会社転職後様々な成果をあげることができた。ゴム会社では大学院で学んだ知識で成果を出したが、写真会社では、ゴム会社で3か月間学んだ知識で成果を出している。


面白いのは、この3か月間に指導社員から出された宿題を写真会社の最後の5年間で実現できたことである。指導社員からはカオス混合技術について研究するように言われていたが、この指導社員から別れた後、ゴム会社で研究する機会は無かった。


それが、写真会社で偶然生まれたのだ。企業の統合により、カメラ会社で6年ほど研究開発されていたテーマを担当することになったためである。そのテーマは、国内で高分子技術ではトップクラスの企業からコンパウンドが提供されて進められていた。


そして、コンパウンドの改良をしなければ問題点を解決できないテーマだったので、その企業にお願いした。ところが、断られた上に勝手に自分でやれ、と言われたので、カオス混合プラント建設のチャンスが生まれた。

そして大成功だった。その後、このメーカーからもカオス混合に関する特許出願が10件ほど出ているのを知り、何となく嬉しかった。

カテゴリー : 一般 高分子

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