2023.10/24 プロセシングによる相溶現象
材料技術者としてゴム会社でスタートできたことは、自己実現を考慮した時に幸福だった。特に混練の神様のような指導社員に3か月指導していただいた記憶は今でも鮮明に思い出される。
その時の講義録を基に、ゴムタイムズ社から混練プロセスの本を出版させていただいたが、もし、混練に興味が出てきたら一度読んでいただきたい。巷の混練について書かれた書籍と少し内容が異なる。
混練でおきる現象を考えるために参考となるようにまとめているので、読みやすいと思う。また、二軸混練機についても説明を加えているのでゴム技術者から樹脂技術者まで広い読者の参考となるはずだ。
さて、この本には書いていないが、相容化剤が添加されていなくてもプロセシングで相溶現象を起こすことが可能である。しかし、これは非科学的な現象なので、本では実験データだけ示した。
実はロールでゴムのブレンドを行うと、しばしば観察される現象である。また、指導社員からロール混練では、ロール上で起きる現象について科学にとらわれず観察するように指導された。
2成分のゴムのブレンドでは、その組み合わせにより、全体が透明になって混練が進行するケースや半透明で進行するケースなど様々である。これらを観察することでカオス混合のアイデアが生まれた。