2023.12/08 データの解析力(2)
データの収集方法において、科学的方法と非科学的方法がある、と(1)で述べた。そして科学的方法では、「科学的」というフィルターをかけて現象からデータ収集する問題を指摘した。
科学の時代において、この指摘を奇異に感じる方がおられるかもしれない。しかし演繹法と帰納法の二つについて、データ収集の様子を想像していただければ理解していただけるのではないか。
「科学的」のもっともゆるいフィルターは、この両者の方法でデータ収集するケースであるが、帰納法だけでデータ収集しても良い。ゴム会社の研究所では、フィルターをかければかけるほど優秀とされたので、帰納法によるデータ収集はエレガントと表現する人もいた。
さらに、そこに根拠のある仮説がついていたならば、「天才」などと褒める人もいた。データサイエンスが進歩した現代では、このような天才には疑問符をつける鋭い人もいるかもしれない。
当方は科学こそ命と信じる集団が解いた電気粘性流体の耐久性問題について、そこに展開された否定証明をデータサイエンスを用いて、一晩でひっくり返すような成果を出したために、転職しなければいけない状況に追い込まれた体験がある。
30年以上前は、マテリアルズインフォマティクスのような手法を禁じ手としていた研究者が多い。それだけでなく、ハラスメントの嵐でつぶしにかかる風土もあったのだ。
イムレラカトシュは、時代により科学と非科学の境界は変わる、と述べている。いまは良い時代になった。弊社の問題解決法を身につけて研究者の働き方改革を目指されてはいかがだろうか。
カテゴリー : 一般
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