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2024.01/22 高分子の破壊

金属やセラミックスでは、非破壊検査が当たり前に行われているが、高分子の非破壊検査は難しい。非破壊検査とは、材料を壊すことなく寿命を探る方法である。


トンネルや橋脚をコンコンと検査員が叩いている光景をTVなどで見ることがある。また、ドライブで高速道路を頻繁に利用する人ならば、実際の光景を見たことがあるのかもしれない。


コンコンと叩いたときに異音が無いのか調べることで構造物あるいは製品の寿命を知ることができるのは金属やセラミックスでフラクトグラフィーという形式知ができているからだ。


ところが高分子では、ゴムと樹脂で異なるアプローチの仕方で破壊現象が研究されてきた。40年以上経って、ようやく両者の破壊について同じまな板の上で議論できるようになった。


ただし、それはGriffithの理論の拡張が行われた故であり、その拡張の妥当性も現在議論されている。Griffithの理論とは、線形破壊力学という体系の基になる理論で、セラミックスや金属の破壊に関する形式知はこの理論を基に構築されている。


壊れる、という簡単に思われる現象でさえ、高分子では未だに研究されている対象であり、高分子がいかに難しい材料であるのか知っておくのは重要なことである。


身の回りで普及しているから形式知が完成しているとは限らないのだ。科学の時代と言われているが、経験知に基づく技術で実用化されている製品が多いことを知ると、どろくさい品質検査の一つ一つを浅はかな科学的という判断で勝手に効率化できないはずだ。


ダイハツの事件を知るにつれ、科学的という思いあがった考え方が透けて見えてくる。タグチメソッドは開発設計段階から品質工学を導入できるメソッドだが、今時これを身に着けていない技術者は時代遅れである。


今週R&D支援センター主催のセミナーが開かれるので、まだ身に着けていない技術者はぜひ参加していただきたい。弊社へ参加申し込みされますと参加費10000円割引サービスとなります。お問い合わせください。


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